統合報告書はパワーポイントでもっと「ラク」に作れるのか?【配付資料あり】

更新日:2025年1月31日

更新:2024年11月3日

こんにちは。代表の鈴木です。
この記事はもともと2022年の年末に書いた記事なのですが、以降この記事を起点として、「パワーポイントで作る統合報告書」の案件が増えてきて、この記事を「見ました!」と言ってくれる方も増えました。

株式会社資生堂様の統合レポートの実績記事からも多くのお問合せを頂いています。


今、改めて「パワーポイントで作る統合報告書」を提案したく、記事をブラッシュアップしました。


先に結論。
統合報告書をパワーポイントで作ることでちょっと「ラク」になります。
結果、日英同時開示や、コストダウンに繋がることも。

ただ、万能なわけでなく、体制や運用には注意が必要なのと、
なによりも企業様、制作会社「ともに効率化」するという目標を共有することが大切です。

統合報告書とは?

まずは統合報告書とは何かを説明します。

統合報告書とは、企業が財務情報と非財務情報(環境・社会・ガバナンスなど)を統合して提供する報告書です。企業の長期的な価値創造プロセスをステークホルダーに分かりやすく伝えることを目的とし、持続可能性や経営戦略を示します。国際統合報告評議会(IIRC)のガイドラインに基づくものが多く、投資家や社会からの理解を深める役割を担います。

その制作には非常に時間がかかるものですが、もっと簡単にできないか?
インクデザインはそう考えました。

統合報告書は手間がかかる?


統合報告書。
この数年、発行する企業が増え、制作ニーズも増加の傾向にあります。
反面、企業側、制作会社ともに負担が増している状況を感じます。

そんな統合報告書。もっと簡単に、省人化し、効率的に作れる方法はないのかと思い、インクデザインではその方法を研究提案してノウハウが蓄積されてきました。

その、統合報告書を効率的に作成する方法は「パワーポイントを使った制作」です。

一般的な統合報告書のフローはこのような感じ。
スタートから完成まで、概ね半年以上をかけて、そのうちデザインの部分に多くの割合を割きます。

企画、編集は重要なフローなので、従来のフローで行ったとしても、
デザインや校正フローはもう少し効率化できないか?
というのが今回の骨子です。

統合報告書は社内外を横断したチームで行うことも多く、社内においては、原稿を各部署に依頼するが多く、バラバラのフォーマットで原稿が集まることが効率悪化の要因のひとつです。

企業(事務局)や企画会社で用意した原稿を制作会社に投げて、レイアウトソフトでデザイン(DTP)を行いますが、wordの原稿などからレイアウトソフトのInDesignへはコピー&ペーストです。

これは、手間もかかり、ミスも起こります。
修正のやり取りに関しても、制作会社からはPDFで提出され、企業はそれにコメントをするか、印刷して指示を手書きで書く・・・という作業を行います。

ちょっと効率悪い気がしますね。

統合報告書をパワーポイントで作成しましょう!

そこで、インクデザインでは、「統合報告書をパワーポイントで作ればいいいのでは?」という提案をしています。

初期フローにおける社内原稿作成での効率化

まず社内での原稿作成。
1.共通のフォーマットをデザイナーがパワーポイントで作成。
2.社内で各部署に共有し、パワーポイントのフォーマットに直接原稿を記載をしてもらう。

各部署からは、ほぼ完成したデータが支給されます。
あとは、文章の編集や校正、表や図のデザイン作成を制作会社に依頼する。
という流れでほぼ完成でます。

従来ですと、各部署から収集したwordを、事務局で整えて、制作会社に渡して、デザイナーは、その原稿をAdobe Indesignなどのデザインソフトにコピペ。
この段階でも十分効率的できそうですね。

デザイン・校正段階での効率化

煩雑でやり取りの多くなるデザイン・校正作業。
企業側、制作会社ともに負担が多いフローであり、最も効率化ができるフローとも言えます。

従来、統合報告書デザインのフローとして、制作会社、デザイナーに修正などを依頼するのが普通ではありますが、
「修正が直っていない」
「修正指示がわかりにくい」
「急ぎで欲しい」
「無茶なスケジュールで依頼された」

など、双方にとってうまく行かない要因になることも多いです。

多少事務局の手間とスキルが求められますが、トータルの手間を考えるとパワーポイントでの運用は効率化に繋がると考えます。

もちろん、制作会社にとってもデザイナーのハンドリングの負担とコストが減るのでメリットは大きいです。

英語版で大きく効率化とコストダウンできる

日英同時開示というニーズが高まる一方で、英語版の制作フローがネックになるパターンも散見されるようになってきました。

※下記は全ての翻訳会社のフローではなく一例です。
従来のフローでは、制作データはAdobe Indesignが主でした。
そのため翻訳のフローでは、翻訳者がAdobe Indesignを扱えないので、

1.(デザイナー)Adobe Indesignから一度テキストをwordに落とす。
2.(ディレクター)翻訳会社に依頼。
2.(翻訳者)はwordで翻訳し、英文のwordをデザイナーに支給。
3.(デザイナー)再度Adobe Indesignに文字を流し込む。

というフローでした。

パワーポイントでしたら。
1.(ディレクター)パワーポイントで翻訳会社に依頼。
2.(翻訳会社)パワーポイントで英訳を返却。
3.(デザイナー)行間等見栄え的な部分を整える。

というフローで、効率化も実現でき、従来での「再度Adobe Indesignに文字を流し込む」際のミスもなくなりますし、その作業コストがごっそりなくなります。

インタラクティブPDFもできる

パワーポイントで設定したリンクはPDF書き出しでも有効です。
リンク付き統合報告書のインタラクティブPDFも簡単に作成可能です。

統合報告書制作においてパワーポイントフローのメリットまとめ

今までの提案の通り、パワーポイントでの制作フローは効率化・省人化に大きく繋がります。

1.社内の部署間で完成イメージを共有して原稿作成できる。
2.校正・デザインフローで些細な修正は自分達で修正できる。
3.英語版発行の迅速化とコストダウンができる。

もちろん、伴うデメリットもありますので、全ての会社様、フローに当てはまるのは難しいかもしれませんが、検討には値すると思います。

デメリットと注意点

実はここからが、もっとも大切な部分。

そう、当然、いいことばかりではなく、効率化の影には必ずトレードオフが存在します。
そんな妥協すべき事があるために、全ての会社様にお勧めができるわけではないのです。

そんなデメリットを記載します。

全てはメリットの裏返しです。
それらは、システムや、ナレッジ・ノウハウで十分カバーできると考えます。


ここまでご覧いただき誠にありがとうございます!
記事内に貼ってある画像は資料としてまとめていますので、下記よりダウンロードください。

パワーポイントでの統合報告書作成フローはデメリットを上回る効率化・省人化のメリットがあると考えます。
それを実現するポイントは、企業様、制作会社「ともに効率化」するという目標を共有することが大切だと考えます。



すこし前、統合報告書・アニュアルレポートのほとんどは印刷物だったので、無意識にレイアウトソフトでDTPする流れが続いていますが、昨今、環境配慮やコスト、デジタルデバイスの普及により、印刷するケースも少なくなり、スクリーンサイズの統合報告書が多くなってきていますので、効率化、担当者の負担減のためにパワーポイントでの作成をオススメします。

もちろん、僕たちにとっては、自分の仕事を「いらない」と言っているので首を絞めていますが、統合報告書を作るに当たっての負担が減ることで、多くの会社が統合報告書を作成できるほうが、社会のためになると考えています。

ぜひ、そんなチャレンジをぜひインクデザインと一緒にやりましょう!!

【制作実績】株式会社スペース様中間株主通信

【制作実績】株式会社アダストリア様統合報告書2024

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