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パワポの定番パターンを解説するシリーズです。
前回はタイトルまわりのデザイン4選をご紹介しました。
第2回は扉スライドのパターンを見ていきましょう。
※弊社の制作実績ではございません。
扉スライドのデザイン4タイプ
扉スライドはプレゼンにおいて章を区切り、現在地を示す役割を持ちます。
普通のスライドに比べると情報量が少ないため、写真を掲載したり、表紙と連動して世界観を伝えるのに使うことがあります。
1.左寄せ
誰でもバランスを取りやすく、聴き手も見やすい、最もスタンダードなパターンです。
1-1.左・上寄せ
通常のスライドもタイトルは左上に位置するため、目線移動が少なく親切な配置です。
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学べるポイント:空間があいてしまっても、無理に埋めようとしなくて大丈夫。
1-2.左・中央寄せ
1-1.左・上寄せでは余白が広すぎてそわそわしてしまう方は、上下中央揃えもおすすめです。
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学べるポイント:シェイプのきれいなフォントを使うことで、数字自体がデザインになる。
1-3.左・下寄せ
重心が下に落ち着くため、レイアウトしやすいパターンです。
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学べるポイント:章を追うごとにイラストの人物が歳をとるなど、遊び心を取り入れられる。
2.センター
通常のスライドはテキストが左寄せであることが多いため、違いがより顕著になります。ロゴやフッターなど、細かな要素との重心調整が必要になります。
2-1.センター+モチーフ
全編通して特定のコーポレートモチーフを使用しています。
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学べるポイント:色を薄めて文字を重ねている。ロゴの使用規定に注意
2-2.センター+ナビ付き
左橋のナビにより、全部で6章あるうちの今は1章目であることが一目でわかります。
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学べるポイント:背景色と文字色を反転すると扉ページがより際立つ。
3.目次兼用
扉ページで目次を再掲することで、全体像を思い出すことができます。資料というよりはプレゼンにおいてよく使われる手法です。
3-1.現在地を強調
該当の章を若干太くし、チェックマークでも注目を集めています。
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学べるポイント:数字は装飾要素でもある。少しはみだすとかっこいい。
3-2.他を薄める
該当の章以外を薄めることで、該当の章にスポットライトが当たったようになります。
箇条書きをセンター位置にするときは、テキスト自体は左揃えにしてください。
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学べるポイント:文字色自体を変更する方法と、半透明のオブジェクトを上からかぶせる方法がある。
4.サマリー付き
扉時点でその章の内容に触れるパターンです。プレゼンというよりは資料において多く使われる手法です。
4-1.サマリー(一言)
これから何について説明するのか先出しされると、読み手も心構えができます。
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学べるポイント:白字のテキストが読みやすいように写真の明るさを下げている。この03をパワポで再現するには一手間かかる。
4-2.サマリー(文章)
より詳しいサマリーです。全面写真で会社の雰囲気を伝えています。
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学べるポイント:Section2の文字色は白よりも明るさを下げたブルーグレー色になっている。
4-3.サマリー(文章)
こちらもサマリーですが、4-2.がこれからのスライドについて要約しているのに対し、こちらは章タイトルである「事業について」の前文のような立ち位置になっています。
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学べるポイント:重要度の低い章の数字は背景色に馴染む色に、英語タイトルは白抜きの輪郭線のみで抜け感を出している。
4-4.サマリー+下階層の目次
3-1,2の目次の例とは異なり、その章以下のスライドタイトルを一覧にしている例です。
こちらは統合報告書のため、スライドよりもフォントサイズが小さめです。また、編集・更新が多く発生するパワポではページ数を記載することはおすすめしません。
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学べるポイント:フォントの線の太さとイラストの線の太さがほぼ同じため、すっきりして見える。
おまけ.数字を大きくするのがトレンド?
パターンを問わず、章の番号をひときわ大きく配置する傾向が見られました。
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これは、「必要最低限の情報しか載せたくない、しかしデザイン性もほしい」というパワポで有効な手段です。1-2.の学べるポイントでも書いたように、数字の曲線自体が情報量を増やし、簡素な扉スライドの密度を上げ、機能性と同時に情緒性にも寄与してくれます。ほとんどの場合2桁に達することのない章数で、「1」「2」ではなく「01」「02」とあえて記載するのも同じ理由だと考えています。
手軽に真似できますが、実際にやってみるとサイズ比やはみだし方などのバランスに迷われるかもしれません。ぜひ試してみてください。
次回は「章タイトルのデザイン4選」をお届けします。
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