統合報告書はパワーポイントでもっと「ラク」に作れるのか?2025年【配付資料あり】

更新日:2025年2月22日

こんにちは。代表の鈴木です。
この記事はもともと2022年の年末に書いた記事なのですが、以降この記事を起点として、「パワーポイントで作る統合報告書」の案件が増えてきて、この記事を「見ました!」と言ってくれる方も増えました。

株式会社資生堂様の統合レポートの実績記事からも多くのお問合せを頂いおり、弊社提供の今年度版の統合報告書のほとんどはパワーポイントでの作業に切り替わっています。


今、改めて「パワーポイントで作る統合報告書」を提案したく、記事をブラッシュアップしました。


先に結論。
統合報告書をパワーポイントで作ることでちょっと「ラク」になります。
結果、日英同時開示や、コストダウンに繋がることも。

ただ、万能なわけでなく、体制や運用には注意が必要なのと、
なによりも企業様、制作会社「ともに効率化」するという目標を共有することが大切です。

そもそも統合報告書とは?

まずは統合報告書とは何かを説明します。

統合報告書とは、企業が財務情報と非財務情報(環境・社会・ガバナンスなど)を統合して提供する報告書です。企業の長期的な価値創造プロセスをステークホルダーに分かりやすく伝えることを目的とし、持続可能性や経営戦略を示します。国際統合報告評議会(IIRC)のガイドラインに基づくものが多く、投資家や社会からの理解を深める役割を担います。

その制作には非常に時間がかかるものですが、もっと簡単にできないか?
インクデザインはそう考えました。

統合報告書は手間がかかる?


統合報告書。
この数年、発行する企業が増え、制作ニーズも増加の傾向にあります。
反面、企業側、制作会社ともに負担が増している状況を感じます。

そんな統合報告書。もっと簡単に、省人化し、効率的に作れる方法はないのかと思い、インクデザインではその方法を研究、提案してノウハウが蓄積されてきました。

その、統合報告書を効率的に作成する方法は「パワーポイントを使った制作」です。

一般的な統合報告書のフローはこのような感じ。
スタートから完成まで、概ね半年以上をかけて、そのうちデザインの部分に多くの割合を割きます。

企画、編集は重要なフローなので、従来のフローで行ったとしても、
デザインや校正フローはもう少し効率化できないか?
というのが今回の骨子です。

統合報告書は社内外を横断したチームで行うことも多く、社内においては、原稿を各部署に依頼するが多く、バラバラのフォーマットで原稿が集まることが効率悪化の要因のひとつです。

企業(事務局)や企画会社で用意した原稿を制作会社に投げて、レイアウトソフトでデザイン(DTP)を行いますが、wordの原稿などからレイアウトソフトのInDesignへはコピー&ペーストです。

これは、手間もかかり、ミスも起こります。
修正のやり取りに関しても、制作会社からはPDFで提出され、企業はそれにコメントをするか、印刷して指示を手書きで書く・・・という作業を行います。

ちょっと効率悪い気がしますね。

統合報告書をパワーポイントで効率的に作成しましょう!

そこで、インクデザインでは、「統合報告書をパワーポイントで作ればいいいのでは?」という提案をしています。

初期フローにおける社内原稿作成での効率化

まず社内での原稿作成。
1.共通のフォーマットをデザイナーがパワーポイントで作成。
2.社内で各部署に共有し、パワーポイントのフォーマットに直接原稿を記載をしてもらう。

各部署からは、ほぼ完成したデータが支給されます。
あとは、文章の編集や校正、表や図のデザイン作成を制作会社に依頼する。
という流れでほぼ完成でます。

従来ですと、各部署から収集したwordを、事務局で整えて、制作会社に渡して、デザイナーは、その原稿をAdobe Indesignなどのデザインソフトにコピペ。
この段階でも十分効率的できそうですね。

デザイン・校正段階での効率化

煩雑でやり取りの多くなるデザイン・校正作業。
企業側、制作会社ともに負担が多いフローであり、最も効率化ができるフローとも言えます。

従来、統合報告書デザインのフローとして、制作会社、デザイナーに修正などを依頼するのが普通ではありますが、
「修正が直っていない」
「修正指示がわかりにくい」
「急ぎで欲しい」
「無茶なスケジュールで依頼された」

など、双方にとってうまく行かない要因になることも多いです。

多少事務局の手間とスキルが求められますが、トータルの手間を考えるとパワーポイントでの運用は効率化に繋がると考えます。

もちろん、制作会社にとってもデザイナーのハンドリングの負担とコストが減るのでメリットは大きいです。

英語版で大きく効率化とコストダウンできる

日英同時開示というニーズが高まる一方で、英語版の制作フローがネックになるパターンも散見されるようになってきました。

※下記は全ての翻訳会社のフローではなく一例です。
従来のフローでは、制作データはAdobe Indesignが主でした。
そのため翻訳のフローでは、翻訳者がAdobe Indesignを扱えないので、

1.(デザイナー)Adobe Indesignから一度テキストをwordに落とす。
2.(ディレクター)翻訳会社に依頼。
2.(翻訳者)はwordで翻訳し、英文のwordをデザイナーに支給。
3.(デザイナー)再度Adobe Indesignに文字を流し込む。

というフローでした。

パワーポイントでしたら。
1.(ディレクター)パワーポイントで翻訳会社に依頼。
2.(翻訳会社)パワーポイントで英訳を返却。
3.(デザイナー)行間等見栄え的な部分を整える。

というフローで、効率化も実現でき、従来での「再度Adobe Indesignに文字を流し込む」際のミスもなくなりますし、その作業コストがごっそりなくなります。

こちらが全体のフローイメージ

統合報告書作成効率化に向けたポイント

統合報告書をパワーポイントで作成することで、効率化、低コスト化に繋がるのは、本記事の骨子ですが、そのためには、企業側、制作会社側での目的の共有が大切です。

平たく言うと、企業側に求めることも多くなりますが、すべては効率化のためです。

インタラクティブPDFもできる

パワーポイントで設定したリンクはPDF書き出しでも有効です。
リンク付き統合報告書のインタラクティブPDFも簡単に作成可能です。

統合報告書制作においてパワーポイントフローのメリットまとめ

今までの提案の通り、パワーポイントでの制作フローは効率化・省人化に大きく繋がります。

1.社内の部署間で完成イメージを共有して原稿作成できる。
2.校正・デザインフローで些細な修正は自分達で修正できる。
3.英語版発行の迅速化とコストダウンができる。

もちろん、伴うデメリットもありますので、全ての会社様、フローに当てはまるのは難しいかもしれませんが、検討には値すると思います。

デメリットと注意点

実はここからが、もっとも大切な部分。

そう、当然、いいことばかりではなく、効率化の影には必ずトレードオフが存在します。
そんな妥協すべき事があるために、全ての会社様にお勧めができるわけではないのです。

そんなデメリットを記載します。

全てはメリットの裏返しです。
それらは、システムや、ナレッジ・ノウハウで十分カバーできると考えます。


ここまでご覧いただき誠にありがとうございます!
記事内に貼ってある画像は資料としてまとめていますので、下記よりダウンロードください。 (2025-02-22)

パワーポイントでの統合報告書作成フローはデメリットを上回る効率化・省人化のメリットがあると考えます。
それを実現するポイントは、企業様、制作会社「ともに効率化」するという目標を共有することが大切だと考えます。



すこし前、統合報告書・アニュアルレポートのほとんどは印刷物だったので、無意識にレイアウトソフトでDTPする流れが続いていますが、昨今、環境配慮やコスト、デジタルデバイスの普及により、印刷するケースも少なくなり、スクリーンサイズの統合報告書が多くなってきていますので、効率化、担当者の負担減のためにパワーポイントでの作成をオススメします。

もちろん、僕たちにとっては、自分の仕事を「いらない」と言っているので首を絞めていますが、統合報告書を作るに当たっての負担が減ることで、多くの会社が統合報告書を作成できるほうが、社会のためになると考えています。

ぜひ、そんなチャレンジをぜひインクデザインと一緒にやりましょう!!

おまけ:AIによる統合報告書レビューBOT

カスタムchatGPTにて、簡易的な統合報告書のレビューを行うチャットボットを作ってみました。
こちらも企画などに有効に使えるかもしれません。

評価基準は「日経統合報告書アワード」の評価基準に準拠しています。
https://ps.nikkei.com/nira/criteria.html

あくまでも参考までに使ってください!!

操作は簡単で、開示済みのPDFをアップするだけ

AI統合報告書レビューはこちらから

【制作実績】株式会社スペース様中間株主通信

【制作実績】株式会社アダストリア様統合報告書2024

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