
こんにちは。代表の鈴木です。
今日は「経営における意思決定の現場にはデザイナーがいるべき!」
という話をさせていただきます。
ライブデザイン!
先日、ある非上場企業様の案件で、「人的資本」のスライドを作る機会がありました。
材料として頂いていたのはざっくりとしたExcelとWordの資料で、後日対面でデザインを提案しました。
その場では単にデザインを見せるのではなく、社長と会話をしながら、構成や言葉、ディテールを整理して、リアルタイムでスライドに落とし込むという作業を行うことに。
その場では、伝えたいポイントや言葉のニュアンス、伝わり方など、やりとりしながら組み立てていきました。
感覚としては、プレゼンというよりブレストでしょうか。
社長にも納得していただいたので、これはよかった!
実はこのような、経営者の前で、話を聞きながらデザインを行うことは最近増えてきましたし、当社の売りにしています!!

経営とデザインは、もっと近くていい
経営は、日々の選択の連続です。
そしてその選択は、形にすることで判断が早く、明確になると思います。
理念、戦略、事業方針、IR資料、ナラティブ。
どれも「言葉にする」「見える形にする」ことが求められます。
そのような、経営情報を可視化する作業がデザインだと思います。
僕たちの事業領域であるIR分野におけるデザインも、経営を可視化することだと思っています。
経営とデザイン。もっと地続きであってもいいのでは?

メジャー企業だけの話じゃない
有名な話では、ファーストリテイリングの柳井さんと佐藤可士和さん、中川政七商店の中川さんと水野学さんのような、経営とデザインが一体になった成功例はあります。
有名企業の特別なケースだから、他人事に見えてしまうかもですが、
特別な話ではなく、これからの企業こそデザイン的な視点やアドバイスは必要だと思っています。
中小企業やスタートアップでは、社長の頭の中にあるビジョンを誰かが翻訳しないと、チームにも投資家にも社会にも伝わらないですね。
企業規模に関わらず、全ての企業においては、「何を」「どう伝えるか」が重要なのではないでしょうか?
まずは一緒に資料を作ってみるところから
じゃあ、どうやってその関係をつくっていくか?
デザイナーと経営の密接な関わりというと、「ブランディング」というような文脈がメジャーですが、時間も費用もかかるし、効果が短期間ではわかりにくいこともあります。
そこで、トライアル的なおすすめは、経営資料を一緒につくってみることです!
決算説明、中期経営計画、採用向けの資料、人的資本など。どれも経営の意思を外に出すものであり、デザイナーが関わる意味は大きいと感じます。
「この表現、わかりやすいですか?」「ここ、論理としてつながっていますか?」といったやりとりを重ねる中で、内容そのものがブラッシュアップされていきます。
インクデザインの考える資料はパワポをキレイにすることではありません。
資料をつくる=意思を形にする作業です。
つまり、経営の可視化。
まずはそこから、関わり方を変えてみるのがいいと思います。

「整えるだけ」で終わっていないか?
そして逆に、デザイナーにも問いを返したいです。
依頼されたものを、ただ整えてキレイにするだけで終わっていませんか?
「言われた通りにやりました」で、済ませていませんか?
「なぜこの資料を作るのか」「この構成でちゃんと伝わるのか」「数字の背景は?」といった問いを持つことで、デザイナーの立ち位置は変わってきます。
そして、少しずつでも経営の言葉を理解しようとする姿勢が必要だと思います。
数字、戦略、事業構想、採用方針・・・・
幸い、AIという脳をアシストしてくれるツールがあるので、わからなくてもビビらずにトライするのがデザイナーが成長するひとつのステップではないでしょうか?!
造形的に美しいのは当たり前。
経営を可視化して、意思決定を後押しするデザイン。
それが、僕たちインクデザインが目指すデザインだったりしています。

意思決定に立ち会えるデザイナーへ
今後、ただキレイに整えるだけの仕事はAIやツールに置き換わっていく可能性が高いです。
でも、経営の現場で経営者と一緒に悩み、一緒に考えて、一緒に決められるデザイナーは、これからもさらに求められていくと思います。
デザイナーとは経営判断の場に立ち会い、構造を整理し、伝わる言葉とビジュアルで支える存在。
経営者にとっても相談するならまずはデザイナー。
それが、AI時代のデザインの役割なんじゃないでしょうか。
経営のすぐ隣に、デザインがある。そんな風景が増えていったらいいですね!