近年、デザイン業務におけるAIの活用が急速に進む中で、AIが生成するコンテンツと著作権に関する問題意識が高まっています。
文化庁が公開している「AIと著作権に関する考え方について」を元に、AIと著作権の基本的な考え方と、AIを使用する上で予期せぬトラブルを避けるためのポイントを解説します!
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律的な助言を意図したものではありません。弁護士等の専門家による見解ではありませんので、記載内容に起因して生じた損害・トラブル等について、当社は一切の責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。

本資料は、デザインでAIを商業利用する人が、
AIと著作権の考え方を大まかに理解できることを目標にしています。
参考資料は、現行法の解釈に基づいた考え方を示しており、今後の判例や技術の発展、諸外国の状況を踏まえて検討を続けていきます。
AI利用における法的リスクを把握し、制作物を保護しつつ、AIという新しい技術を活用していくために著作権法の考えを理解することは有用です。
著作権法とは?
著作者の権利を保護しながら、著作物を円滑に利用するための法律です。

日本の著作権法は、「著作権等の権利の保護」と「著作物等の公正・円滑な利用」のバランスを図り、文化の発展に寄与することを目的としています。
著作者の許諾に例外がある?
技術開発のための試験や情報解析に用いる場合は、著作者の許諾が不要です。

著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用、
公益性の高い利用など一定の場合には著作権者の許諾を得ず利用できます。
許諾の要不要の見解が分かれることもあり、「どちらとも言えない」場合(条件が発生する)も多々あります。
AIの利用で何が問題になっている?
AI利用時の3つの段階で、新たな法解釈が必要になっています。

自身の作品と類似したAI生成物を発見した場合、権利者はこれらの民事上または刑事上の措置をとることが考えられます。
AI開発・学習段階でのポイント
AI開発・学習段階では、原則許諾なく著作物を利用できます。

ただし、著作物の種類・用途・利用の方法によって、著作権者の利益を不当に害する場合は、違法になる可能性があります。
生成・利用段階で「著作権侵害となる行為」とは?
AIで生成されたコンテンツが、著作権を侵害する可能性があります。

AIで生成されたコンテンツが既存の著作物の著作権侵害となるか否かは、人がAIを利用せずに絵を描いた場合と同様に判断されます。
もし著作権侵害に当たる行為があったら?
物理的な行為主体であるAI利用者が原則として責任を負います。

自身の作品と類似したAI生成物を発見した場合、権利者はこれらの民事上または刑事上の措置をとることが考えられます。
文化庁では、著作権侵害に対する権利者の権利行使を支援するため、AIと著作権に関する無料の弁護士相談を提供しています。
どうあるべきか?
AI新法はAIの研究開発の推進を掲げていますが、著作権法上のルールは維持されます。

既存の著作物と、自身がAIで生成したコンテンツを著作権法の枠組みで守るために適切な利用判断を行いましょう。

本資料はこれらのページを基に制作しました。より詳しく学びたい方は一次情報をご参照ください。
また、何かお気づきの点がございましたらご進言いただけますと幸いです。
先日公布された「AI新法」では、AIの研究開発を推進しながら既存の著作権法の枠組みが維持されるため、著作権に関する正しい知識を身につけることが、AIと共存するデザイン業務において不可欠です。
Xでもお役立ち情報を公開しています!ぜひチェックしてみてください!
https://x.com/incdesign_jp?ref_src=twsrc%5Etfw