
こんにちは、インクデザインの小西です。
インクデザイン株式会社はデザイン・コンサルティング会社です。
そう名乗り始めた1年を経て、弊社には「深く考える仕事」が増えました。資料において、ただ見た目を整える、情報をきれいに配置する、というだけではなく、
「そもそも何を伝えるべきなのか」
「この企業は、何を軸に語るべきなのか」
そんな企業の見え方、魅せ方を見出すところから、クライアントと並んで考える案件が確実に増えてきた感覚があります。
今回は新年にあたり、代表の潤さんへのインタビューを通して、インクデザインがいまどこに立っていて、その中にいる私たちエディターやデザイナーはどんな役割を担っているのか、そしてこれから担っていくのかを聞いてみました。
「デザイン・コンサル」と名乗った1年で変わったこと

Q インクデザインにとって2025年はどんな年でした?
この1年を、社内では「種まき期」と呼んできました。人が増えたことで体制を整え、チームとして考えられるようになりました。想定より早く実り始めた感覚があります。
「デザイン・コンサルティング会社」と名乗り方を変えたのが大きかったのだと思います。正直「コンサル」という言葉には抵抗がありました。胡散臭いと思っていたので。でも世の中的には伝わりやすいのかな、と。
そんな意図で「デザイン・コンサル」と名乗ったところ、「原稿をつくる以前に、相談や整理・軌道修正の段階から入ってほしい」という期待を持って声をかけてもらえるようになりました。コンサルという言葉のイメージから戦略立案などを連想することで、アウトプットを整えるだけの関わり方ではないという印象を持たれやすくなったのだと思います。
もちろん、コンサルと言っても、経営戦略そのものを立案したり、数値計画にコミットするようないわゆる戦略コンサルの役割を担うわけではありません。僕らが向き合っているのは、すでに企業の中にある意思や情報を、外に伝わる形として再設計することです。
僕らがやっていることは、いわゆるデザインの「原稿をきれいにする」だけに見えがちだった状態から、少しずつ上流から関わり、企業の想いをまとめるところから関わる形に変わってきたのだと思います。
「とりあえず相談してくれれば形にする」
この入口を、ちゃんと仕事として引き受けられるようになってきました。
関わるフェーズの変化でチームが活き始めた
Q 実際の制作現場での変化は?
相談が増えたことで「謎解きみたいな仕事」が増えました。情報が入り組んだまま渡されて、「どう伝えるべきか分からない」ところから一緒に整理していく仕事です。
具体的には、中期経営計画や統合報告書の企画など、考える比重が大きい領域。ここは個人の力技では回らないので、エディターチームが立ち上がっていたことが功を奏しました。
仕事の流れとしては、ざっくりいうと3行程あります。
- 粗いものを整理し固める
- エディターが詳細に落とし込む
- デザイナーが形にする
この型が、ようやく見えてきました。
この考える比重が大きい領域を「ナラティブストラテジーデザイン」と呼んでいます。結果としてアウトプットされるのは、統合報告書や採用サイト、IR資料など、企業の意思が外部に伝わるための具体的な制作物です。
情報を整理し、語り口を設計すると意思が伝わる

Q:「ナラティブストラテジーデザイン」とは?
僕の感覚では、「物語をつくる」というより「語り口を設計する」に近いです。採用やIR、競合比較など、相手や場面が変われば、同じ会社でも最適な言い方は変わる。だからこそ「今はどう語るべきか」を選び直す必要があります。
いま企業は開示する情報が増えています。透明性は高まっている一方で、情報が点在してしまっているんです。中期経営計画、長期ビジョン、マテリアリティ、MVV、社是、スローガンなど、それぞれがどれも意図を背負っているのに、全体として何を目指している会社なのかが見えにくい状態が起きています。
だから僕らは、散らばった情報を集めて、一本筋の通った「軸」に沿って整える。その上で、相手に合わせて語り口を設計する。
企業のストーリーを「新しく作る」のではなく、すでに存在している考えや判断の積み重ねを、今の文脈でどう語るかを整理すること。これが「ナラティブストラテジーデザイン」としてやりたいことです。
「情報を開示するだけ」から「意思として読める形」へと見え方をデザインするんです。
インクデザインのデザイナーとエディターの真価
Q ナラティブストラテジーデザインを成立させるには?
ナラティブストラテジーデザインにはビジネス理解とデザイン表現の両立が必要です。
ここでいうビジネス理解は、雰囲気でビジネスっぽいことが言える、という話ではありません。利益の出方やビジネスサイクル、収益構造を理解することなどです。さらに、その上で、経営者が何を目指しているのかを理解する。思想だけでも実益だけでも足りなくて、思想と実益のバランスを踏まえて考えられることが大切です。
その上で、エディターはより深いビジネス理解で「整理と設計」を担い、デザイナーは、その理解を「伝わる形」に変換する表現の専門性を担うわけです。インクデザインでは「きれいに作れる」だけではなく、「なぜそれを作るのかを説明できること」が、インクデザインのデザイナーとエディターの真価だと考えています。
AIはヒトの能力を拡げ、真価を引き出す
Q インクデザインにおけるAI活用の考え方を教えてください
AIは、人の能力を拡張するものだと思っています。
AIが雑多な部分を預かることで、人は個性や哲学など、人でしかできないクリエイティブに集中できる。
その環境を設計していくのが、僕らが考えているAI活用です。僕たちが扱うのは機密事項なのでセキュリティの面では慎重に検討しますが、AIに任せられる部分は任せて、人は人にしかできない思考に集中するのがいいのではないかなと思います。
ビジネス理解も同じで、AIで補助できる部分は増えています。もともと知識がないからといって尻込みせず、AIを使うことで理解度を上げることもできるはずです。だからこそ、デザイナーやエディターは「理解した上でどう設計するか」に集中したい。AIは、そのジャンプアップを起こすための道具になり得ると考えています。
スキルよりも、問い続けられる人と働きたい

Q これから一緒に働きたい人材について教えてください。
採用の大前提として、作ることや考えることが好きな人を採用したいです。IRに理解があるかどうかより、世の中への関心を持っていることが大事だと思っています。
それから、少し危うさや生きづらさを抱えている人のほうが、顧客の言葉を丁寧に拾えることがあると思っているので、採用しがちです。もちろん会社として「個人の尊厳」を最重要視して、そういう人たちが安心できる環境をつくりたいとも考えています。
そして最後は、自分が何をやりたいのかを自問自答できる人。そんなみんなのやりたいことを集めて社会にインパクトを出すのが、僕の仕事だと思っています。
考える仕事を、言葉と仕組みに変えていく
Q いまの課題はなんですか?
インクデザインのこれからとして、考える仕事が増えた分、その価値を価格に転嫁しきれていない課題が出てきました。
労力だけが増えてしまう状態は避けたい。だからこそ、自分たちが何をしているのかを自分たちの言葉で整理し続ける必要があると思っています。
語り口を設計し、意味をつなぎ、形にしていく。
これを軸に、仕事を広げていけたらいいなと思っています。
あとは、リソースが限られていることも課題です。よくも悪くも、少数精鋭なので受けられる仕事に限りがあります。採用も強化していきたい部分です。
これからも人数が増えていくので、会社としての基盤を整えることも大切だし、人が増えてやれることが広がったら、もっとどんどん新しいこともやっていきたいとも考えています。
こんな人と一緒に働きたい
以上の話を踏まえて、最後に、インクデザインのディレクター・エディター・デザイナーに向いているのはこんな人です。
- デザインへの関心がある人:内容と見せ方の両方にこだわりたい
- 調整仕事を楽しめる人:クライアント、デザイナー、社内メンバーとの調整が苦にならない
- 探究心がある人:IR分野の知識を少しずつ吸収できる
- 仕組みづくりが好きな人:進行管理や情報整理に興味がある、情報を読み解くのが楽しいと思える
- 柔軟に動ける人:「何でも屋」として幅広い業務に対応したい、汎用的なスキルを身に付けたい
- コミュニケーションを大切にできる人:意図をくみ取り、対話を重ねながら形にできる
「良いものを作りたい」という熱意と、わからないことに柔軟に対処していくチャレンジ精神があれば、きっとこの仕事は面白いはず。インクデザインでは、現在のスキルよりもこれからの成長、そして期待と覚悟を大切にしています。
「経営情報を編集し、可視化する仕事に挑戦したい」「経営の意思決定に関わる仕事がしたい」という気持ちがあれば、ぜひ一緒に働きましょう。興味を持った方は、ぜひ採用ページをご覧ください。
皆さんとお会いできることを、一同楽しみにしています。
















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