私たちインクデザインは、IR分野に特化したデザイン制作会社です。パワーポイントを使ったIR資料のデザインをはじめ、コーポレートサイトや印刷物など幅広くデザイン制作を行っています。
そんな私たちの会社では、週に一度、チームや役割など関係なく全体がオンライン上で集まる朝礼があり、そこで「デザインの話」というスタッフそれぞれがデザインにまつわる好きな話題をテーマにし、持ち回り制で発表する機会があります。
今回のテーマは、公共トイレとIRのデザイン。この二つの言葉に、すぐさま共通点を見出すのは難しいかもしれません。しかし、インクのメンバーが実際に渋谷区の公共トイレを巡る中で、意外な共通点を発見しました。果たして、どのような共通点が見つかったのでしょうか?

ライター:N.W
エディター:M.S
THE TOKYO TOILETとは?
一般的に、汚い・怖いといった理由で利用者が限られている公共トイレを、渋谷区の協力のもと新しく生まれ変わらせるプロジェクトです。性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できるトイレを区内17箇所に設置しています。それぞれのトイレのデザインには、隈研吾氏など世界で活躍する16人の建築家やデザイナーが参画しており、見て面白い、使って楽しいトイレばかりとなっています。清掃員のユニフォームも含めデザインされており、そこも注目ポイントです(図1)!参考サイト

なぜ、THE TOKYO TOILETを訪れたのか?
役所広司さん主演の映画、「PERFECT DAYS」(図2)(平山というトイレ清掃員の日常を描いた映画)を観たのがきっかけです。そこに出てくる公共トイレ(THE TOKYO TOILET)が、どれも個性的でオシャレだな〜!と気になって調べていたら、自分の仕事とも通じる部分を感じ、実際に訪れることにしました。

訪れたトイレについて
①代々木深町小公園トイレ
住所:富ヶ谷1-54-1
建築家:坂茂
残念ながらガラス壁に不具合があり透けている状態は見られなかったのですが、カラフルな配色にも関わらず、公園の景色によく馴染んでいたのが印象的でした(図3)。 光を通すので大きさの割に軽やかな存在感です。木々の木漏れ日が映り込んでいるのもきれいでした。また、女性トイレの中は鏡張りになっており、ピンク色に染まっています。入った瞬間、異空間に迷い込んだようでワクワクしました! そもそもの意図として、公共トイレの中に誰か潜んでいるかわからない「怖さ」を解消するために透明な作りにしたとのこと。見た目の美しさだけではない、課題解決への工夫が散りばめられていて素晴らしいと思いました。不具合が解消されたらまたぜひ行ってみたいと思います!
②代々木深町小公園トイレ
住所:代々木 5-1-2
建築家:伊東 豊雄
代々木八幡宮の森を背景に、きのこのようなデザインが無理なく馴染んでいました(図4)。ブラウンがグラデーションになっているのも、景色との融合に一役買っています。筒形のトイレなので、それぞれの隙間に細い道ができており、それが迷路のような印象も受け、童心を思い出させてくれます。これは行き止まりをなくし、視線が抜けることによる防犯の効果を狙っているそうです(図5)! 中はシンプルでとても清潔に保たれており、形の効果かどこかホッとする空間でした。 外国人観光客の方も興味深そうに見に来ていて、公共トイレが観光スポットにまで昇華されているのにおどろきました。

ズバリ、公共トイレとIRのデザインの共通点は?
マイナスをプラスにするデザインの力!です!!
最後に…
マイナスのイメージが持たれやすい場所でこそ、デザインの力は光ります。 今回のTHE TOKYO TOILETの取り組みを通して、それを再確認しました。 一方でインクデザインの仕事といえば、難しい、とっつきにくいなどのイメージを持たれやすいIR関連の情報を整理して、わかりやすく + おもしろくすること。そう考えると、通じているなと思いますし、デザインの力が発揮されやすい土俵でお仕事ができているのだなと思います! これからも地道ではありますが、デザインの力を信じて、一つ一つのお仕事に真摯に向き合って行きたいなと改めて思いました!
以上、『マイナスをプラスにーTHE TOKYO TOILETとIRデザインの共通点ー』についてでした。
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