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IPOを目指す企業が投資家に対して自社の魅力を最大限に伝える上で、最も重要なツールの一つが「成長可能性に関する説明資料」です。
本記事では、IR資料制作支援事例が豊富な私たちインクデザイン株式会社で実際に成長可能性資料やロードショーマテリアルなどの構成・編集に携わっているIR専門のエディターが、成長可能性資料の主要な構成要素を分かりやすく解説します!
参考文献
※当社の実績ではございません。
※当サイトが提供する情報は証券投資の勧誘を意図するものではありません。当サイトを利用しての情報収集・投資判断は皆様の自己責任により行われますようお願い致します。
※デザイン・IR業界活性化のための研究目的として各社様資料を引用して分析しています。
IPO「成長可能性資料」の制作ポイントを公開!
有価証券報告書での開示に加えて、成長可能性資料を公表することで以下のようなメリットがありました。
- チャートや画像でデータを可視化できる
- 概念的なメッセージが伝えられる
- 投資家との対話の材料になる
今回はインクデザインが成長可能性資料を制作する際の誌面構成をざっくりとご紹介します。
「成長可能性資料」の誌面構成
1. 会社概要
資料全体の「顔」であり、その企業らしさを表現します。
- 会社概要
- グループ会社
- 企業理念・ビジョン・ミッション
- 沿革
- 経営陣・組織体制
- 財務ハイライト


多忙な投資家が数分で企業の魅力と成長戦略の概要を把握できるよう、最も重要な情報を凝縮して提示します。メインメッセージが詰まっている見せ場セクションです。
2. 事業内容
投資家が基本的な理解を深めるための土台となるセクションです。
- ビジネスフロー
- 事業概要
- 事業セグメント
- IPOの目的
- 主要な成長戦略の骨子
- 当社の強み/競争優位性
- 収益構造


読み手がイメージしやすいように図解や写真などのビジュアルを充実させると、有価証券報告書で見るときよりも理解しやすく構成できます。
3. 市場環境
事業展開の現在地と未来を提示します。
- ターゲット市場の定義と規模
- 市場トレンド・将来予測
- 競合分析
- 市場における自社のポジショニング
- サプライチェーン
- 社会課題に対するソリューション




投資家は企業単体の力だけでなく、市場の成長性も重要な投資判断基準とします。こちらの例では、市場規模と商流比較、他社比較から競合環境を説明し、自社がどのようにポジションを築くかを明示しています。
4. 成長戦略
企業が具体的にどのように成長を実現していくのか、ロードマップを詳細に提示します。
- 成長戦略サマリ
- 成長ストーリー
- 製品・サービス戦略
- 顧客獲得・市場拡大戦略
- 組織・人材戦略
- リスク要因と対応策




各成長戦略の全体像を図式化することで、事業ポートフォリオが企業の成長にどのように連動しているのかをわかりやすく示す役割があります。
また企業を取り巻く潜在的なリスクも丁寧に開示し、管理体制や対応策を示すことで、上場後の信頼感につながります。
6. 参考資料(Appendix)
本編では伝えきれなかった詳細なデータや補足情報、用語解説などをまとめる場所です。
- 過去の財務実績
- 費用構造
- 製品・サービスの追加情報、導入事例
- スキルマトリクス
- 主要KPI
- リスク事項




企業らしさが出せるセクションでもあります。サービスについて具体的に理解を深めてもらうために、事例の写真などビジュアル要素を追加するのもおすすめです。
まとめ
成長可能性資料の作成は、企業の強み、弱み、市場での立ち位置を改めて見つめ直す機会にもなります。各セクションの構成要素を考えていく過程で、漠然としていた未来のビジョンが具体的な戦略へと落とし込まれています。制作プロセス自体も、成長の土台作りになることが期待できるのです。
成長可能性資料を制作している過程では、経営者の方の思考が整理されたり、社内での理解浸透につながったという効果も生まれています!