日々、禅問答のように、「パワーポイントのスライド比率、どうなの?」「4:3、16:9、ワイド?」と聞かれることが多いです。
自分との戦いの末、答えとしての正解はなく、流行や運用による、「決めの問題」という結果に行き着きました。
今回は、その「決め」の参考となるような記事を書きたいと思います。
また、プレゼンテーション資料、ホワイトペーパー、IR資料だけでなく、統合報告書も印刷せずにスライド形式での作成が多くなっていましたので参考になると思います。
[結論]印刷するならA4、しないなら16:9
まずは、結論としてインクデザインからの提案。
印刷(プリントアウト)するならA4、プリントアウトしなくてもいいなら16:9
コロナ禍では画面共有が多く、16:9の需要が多かったですが、最近はプリントアウトを持参するシーンで、
「16:9だとプリントアウトした際に上下に余白ができてかっこ悪い」
という声も聞くことも多く、A4に回帰する傾向が見られます。
手元資料、事前配布資料、営業が持参する資料、経営陣が使う資料、銀行に提出する資料・・・・など資料を印刷するシーンは意外と少なくないですね。
ただ、16:9のほうが「かっこよく」見えますので好みと決めの問題だと思います。
それでは各比率の特徴を見て行きましょう。
16:9サイズ(まず間違いない!)
ワイドサイズと言われ、テレビなどのスクリーンが16:9であることにより、スライドの比率としても広く使われています。
16:9は「かっこいい」
16:9一般的に「かっこいい」「スタイリッシュ」と言われるコトも多いですね。
ただ、本能的な感覚でなく、流行に左右される変動的な感覚だと思うので、これから変化していくこともあるかも?です。
16:9はレイアウトが難しい
ワイドサイズは横長なのでレイアウトは難しくなります。
文章を読ませる場合は1行が長くなり、図版を使う場合もバランスを取るのが難しかったりと、デザイン作業は難しくなりますね。
16:9は機能的
16:9はレイアウトが難しい反面、上手く使うことで効率的な情報伝達ができます。
例えば、スライドを左右2分割し、2つの要素を伝えたり、右や左に文字のエリアを設けることで、文字情報と図やグラフを分離して情報を整理することができます。
16:9は印刷には不向き
よく言われるますが、A4用紙にプリントアウトすると上下に余白ができます。
これはプリンタの設定では無く、A4との比率の差によるもの。
それがOKか?それが大きな決め手になりますね。
※16:10という比率もありますが、16:9とニアリーイコールだと思っています。
A4サイズ(バランスはいい)
日本では印刷物のスタンダードとして長く広く使われてきたので、まず安心感があります。
A4の用紙でばっちり印刷できる
プリントアウトの問題は起こらないのがA4の特徴。
余白も無駄もなく印刷をすることが出来ます。
レイアウトはしやすい
ワイドすぎないので、レイアウトは収まりがよく、デザイン的には扱いやすい比率といえます。
やや古く見える
16:9に比べるとやや古く見えます。
ただ、慣れの問題で、これからどうなるかわからないのと、A4回帰の流れも感じます。
印刷をしないPDF版の統合報告書ではA4横サイズが多いですね。
グローバル的にはNG?
A4は日本独自の企画です。海外ではA4に対しての馴染みは薄いので、グローバルを意識した資料やレポートには向いていないかもです。
4:3サイズ(ちょっとトラディショナル)
古くさく感じるが、SNSとの相性は悪くない
やや正方形に近い、昔のテレビサイズです。
4:3サイズは直感的に古くさく感じることがあると思います。
ただ、まだまだ使用されているケースは多く、PC、スマホでも視認性の高いバランスのとれた比率で、SNSでのシェアなどを考えると一概に古いとも言い切れないです。
シネスコサイズ(これから来るか?)
比率2.35:1のいわゆる映画館のスクリーンサイズです。海外ではチラホラと見かけますね。
スタイリッシュでインパクトがありますが、レイアウトはかなり難易度高そう。
情報量が多く、ナビゲーションなどの機能も必要な統合報告書などで使うとよいかもです。
1:1サイズ(SNSではあると思います。)
いわゆる正方形。
4:3に近いですが、こちらもSNSとの相性を考えると増えていきそうな比率と言えます。
ただ、レイアウトが難しいので、情報量を極力減らして端的に表現するのがポイント!
縦長サイズ(スマホで便利)
今後の一押し!
ドキュメントを見るデバイスの多くは間違いなくスマホ。
開示用の資料やホワイトペーパーもスマホに最適化されたレイアウトが必要になってくるのでは?
最後に
いかがでしたでしょうか?
スライドの比率は、お客様からの相談をはじめ、インクデザインサイトの検索ワードでも多いです。
それだけ決定版が無く、「決め」の問題になりますので、その「決め」の後押しとなるよう、参考にしていただければと思います。
インクデザインでは、スライドデザインと荒野の中で日々戦っています!(笑)
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