「事業計画及び成長可能性に関する事項」はグロース市場にIPOする際に掲載が求められる資料のことです。
その名前のとおり、「どのような事業を行ってどのように成長するか」を指し示す資料。
各社バラバラの表現だと、投資家も読み解くのが難解になってしまうので、東証からも内容に関する留意事項(ガイドライン)が公開されています。
https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge7908.html
今回はこの留意事項(ガイドライン)に基づき、2024年1月〜10月の間、グロース市場に上場した会社様の「事業計画及び成長可能性に関する事項」の開示例を、項目別に紹介します。
どの会社様もわかりやすく充実した内容なので、これから上場を目指す会社様を始め、上場を意識しない企業様でも経営計画、経営戦略を練る参考になるのでは?
※当社の実績ではございません。
※当サイトが提供する情報は証券投資の勧誘を意図するものではありません。当サイトを利用しての情報収集・投資判断は皆様の自己責任により行われますようお願い致します。
※各社様資料引用の目的は「事業計画及び成長可能性に関する事項」の内容をわかりやすく伝えるためになります。
2024年11月更新
開示項目
- 価値観
- 会社概要
- エグゼクティブサマリー・At a glance
- 経営陣
- 事業内容
- ビジネスモデル
- 収益構造
- 外部環境・社会課題
- 市場規模
- 競合環境
- 経営資源・競争優位性
- 成長戦略
- 経営指標
- 資金使途
- リスク
- 持続可能性・社会性・ESG
- 事例
価値観
ビジョン・ミッション・バリュー・パーパスなど、「何を目指すか」、「何のために事業を行うか」をしっかりと表現することで、「何のために上場するか」という重要なポイントも整理して説明できます。
会社概要
新期上場企業の場合、知名度と投資家の理解も高くないことが多いため、まずは基本的な会社情報や沿革を掲載します。
エグゼクティブサマリー・At a Glance
会社概要に加えて、大まかな事業内容や業績のサマリーを掲載することで理解が進みます。
経営陣
IPO時には特に重要なポイントかと思いますが、やり遂げられるか?実績はあるのか?信頼できるのか?
そんな経営陣の姿を掲載するのは重要です。
経歴に加えて、役割などを掲載するとよりわかりやすいです。
事業内容
サービスの内容や商品、セグメントなどの重要な部分。まずは大きな概要を掲載すると、見る側も全体像を把握しやすいかと思います。
ビジネスモデル
事業の概要の次にはその詳細を掲載。顧客やステークホルダーとの関係など、個別の事業系統などをグラフィカルに掲載すると理解が進みます。
収益構造
収益、キャッシュフローの獲得方法や構造、今後の計画などを掲載するとイメージがつきやすいです。
外部環境・社会課題
外部統計などを基に客観的な外部環境を記載。社会課題やミッションと関連すると、「何のために事業を行なっているのか」がより明確になるかと思います。
市場規模
外部環境と対になると説得力が増します。目指す市場の可能性など、グラフィカルに表現することで直感的なイメージ訴求ができます。
競合環境
市場規模からの続きで、「目指す市場の中でどのような競合がいるか」という分析。
ポジショニングマップが用いられることが多く、優位性や競争源泉とともに語ると説得感もあります。
実名で競合企業を掲載するとリアルですね。
経営資源・競争優位性
他社との競争優位性、独自性などは企業の持つコアな部分の表現になり、投資家の興味も大きいです。
サマリーとして端的に表現し、続いて詳細を説明する手法などがわかりやすいです。
また、事例などを交える例も、具体的なイメージがつきやすいです。
成長戦略
こちらもIPO企業にとって重要な内容です。どのような手法、戦略、取り組みで成長していくかというストーリーを、時系列や指標、数字、事例などを用いて丁寧に伝える必要があります。
企業の独自性が発揮できる部分だと思いますので、読む側も熱が入ります。
経営指標
成長ストーリーや計画の実効性があるか、進捗を計測することができるかを示すのが、KPIやKGI。
独自性のある指標があると、より投資家にも訴求できます。
資金使途
資金の使用用途などの掲載も重要かと思います。
リスク
端的な情報の掲載になりがちですが、しっかりとリスクを把握し、その対応策を講じていることが重要かと思いますので、細かい情報の開示が必要だと思います。
持続可能性・社会性・ESG
サスティナビリティが大きなテーマになることは少ない印象ではありますが、今後、投資家が社会性を重要視することは間違いないと思いますので記載の意義はあるかと思います。
事例
実績は非常に説得力のある情報。取引先の規模や属性なども掲載することによって、具体的なイメージを与えることができます。
以上になります。
難しい内容ではありますが、ガイドラインを理解することで、読む側も作る側も効率的になるかと思います。
今後とも、インクデザインでは、IRやコーポレートコミュニケーションに関わる情報を発信していきます。
引き続きよろしくお願いいたします。