
こんにちは。インクデザイン代表の鈴木です。
サイトの記事も973本目。2025年中には1,000本を目指しています!!
そこで、連載企画として「IRブランディング」について、デザイン会社の視点でいろいろと書いていこうかと思います。
今日は、IRブランディングの総論、「ナラティブ」。
ちょっとした流行り言葉ですよね。聞いたことがある方も多いはず。
特にIR業界では「ナラティブ大切ゾス!」とよく聞かれます。
そもそもナラティブとは?
ナラティブとは、直訳すると「物語」。
ただし、ここでいう物語は、企業の過去・現在・未来をつなぎ、意味づけするストーリー構造のことを指します。
「私たちは何処から来てどこに行くのか」
たとえば、「なぜこの事業に取り組むのか?」「なぜこの中期経営計画を掲げているのか?」といった本質的な問いに答えるもの。
インクデザインのナラティブは、
「デザインの力で世の中を潤し、デザイナーの地位を高める。」
そのようなもので、パーパスや事業内容で表現しています。
なんか難しそうですが、IR的な数字とその裏側にある“意志”や“背景”を伝えることで、企業の存在意義や価値観がよりリアルに伝わり、投資家の心を動かします。

IRブランディングになぜナラティブが必要か?
IRは、投資家に向けた情報発信であると同時に、「企業の信頼」をつくるブランディング活動でもあるといえます。
投資家に向けて、長期的にどこに向かうか?、なぜやっているのか?を表現することで「信頼のある企業、投資先」であることを伝えます。
また、このナラティブは、IRだけでなく、サステナビリティ、採用、広報、広告など、あらゆる企業活動の根幹につながるもの。
インクデザインとしては、ナラティブはIRにとどまらず、企業ブランディングの「軸」であると考えます。
どのようにナラティブを可視化していけばいいか?
ナラティブは目に見えるものではありませんし、簡単に言語化できるものでもないです。
まずは経営者や経営陣の想い、社内で共有されてきた価値観、事業の変遷といった要素を丁寧に言語化していくことが第一歩です。
たとえば、以下のような要素で整理していきます。
- どんな課題意識から会社は始まったか(起源)
- なぜ今この戦略を取っているのか(現在地)
- どんな未来を目指しているのか(未来像)
- その実現のために、どんな挑戦をしているか(ストーリーの転換点)
このように構造化されたナラティブは、IR資料に盛り込まれるだけでなく、コーポレートサイトや統合報告書、プレゼン資料などさまざまな場面で「一貫性ある物語」を伝えます。

インクデザインができること
僕たちは、企業のナラティブを可視化して人と人を繋ぎます。
そのうえで、デザインは翻訳者のような役割で、文章、図解、写真、イラストなどの要素でナラティブを伝えます!!
具体的にはこんなこと。
過去の振り返り
創業から過去を振り返ることで、「なぜはじめたのか?」「なにが起きたのか?」そんなことを振り返ることができます。ワークショップやグラフィックレコーディングなどを通じて可視化します。
ビジョン・パーパスの可視化
価値観を言語化することで、どこへ行くのか、なぜやるのかを可視化して、内外に共有することができます。トップインタビューやワークショップを通じて、言葉やイラスト、ロゴマークなどで可視化します。
ビジネスモデルの可視化
今なにをやっているのか、それが将来に繋がるのか?
資料やインタビューを通じて、図解やイラストを通じて可視化します。
価値創造プロセスの策定
どのようなプロセスで価値を創造し、社会に変容をもたらすか。
そんなロジックを整理して、図解とともに可視化します。
トップメッセージ
トップの志は大きな投資の判断材料。何を考え、何を目指すか。
インタビューを通じてただしく言語化し伝えます。
中期経営計画の策定・デザイン
将来に向かって、まずは何をやるか?将来のビジョンのために今足りないことは何か?そんなことを具体的な計画として企画編集して伝えます。
統合報告書の企画デザイン
長期的な視点から、財務・非財務の両面にわたる情報を整理・編集し、企業の個性やらしさを損なうことなく、伝わるかたちで発信します。
ウェブサイトによる発信伝達
情報を可視化するだけでは伝わりません。投資家に届くための動線を設計し、確実に“伝わる”をつくります。

最後に「数字だけでは語れない企業らしさ」
IR資料や報告書をつくるとき、どうしても情報が“説明的”になって堅くなりがちです。
けれども、企業の本当の魅力は、数字の向こう側にある「らしさ」や「志」に宿っています。
つまり、ナラティブとブランディング。
私たちインクデザインは、IRの専門性とクリエイティブの力を掛け合わせ、企業のナラティブを発掘し、形にし、伝えていくお手伝いをしています!
