
企業価値を向上させるための強力なツールとして、年々重要性が高まるIRサイト。
そんなIRサイトは、単なる情報公開の場ではないといいます。
この記事では、IRサイトが果たす役割とその戦略的な活用方法について解説します!
IRサイトの効果とその役割
上場企業の場合、ほとんどがコーポレートサイトの中にIRページを設けており、その効果はいくつかあります。

1. アクセス率の上昇
情報のハブとしての機能
IRサイトは企業のIR関連情報の一次情報源であり、あらゆる投資家がアクセスできる中心的なプラットフォーム!
決算情報、事業戦略、株主総会関連情報など、投資判断に必要なすべての情報を集約することで、投資家は複数の情報源を探し回る手間なく、必要な情報にたどり着くことができます。
これにより、企業のIR情報への入り口として機能し、自然とアクセスを促します。
2. ブランディングの向上
企業の顔としての視覚的表現
IRサイトは企業の「顔」として、ブランドイメージや将来性などを視覚的に表現する役割を担います。
単に情報を羅列するだけでなく、デザイン、写真、動画、インフォグラフィックなどを通じて、投資家は企業に対する感情的なつながりを形成。
単なる数値だけではない企業の魅力を感じ取ることができます。
信頼性・透明性の可視化
IRサイトは、企業の誠実さと透明性を直接的に示す場!
最新かつ正確な財務データ、サステナビリティへの取り組みなどを明確に開示することで、企業が情報開示に積極的であることを示します。
これは、特に機関投資家やESG投資家にとって、投資判断における重要な信頼要素となります。
不都合な情報であっても、その背景と今後の対策を迅速かつ丁寧に説明することで、かえって企業の信頼性を高める効果も期待できるのです。
3. コミュニケーションの加速
情報伝達の効率化
IRサイトは、企業から投資家への一方的な情報伝達を効率化します。
多くの情報を一箇所に集約し、いつでもダウンロード可能な状態にすることで、投資家は必要な情報を迅速に入手できます。
また、トップメッセージ動画やオンライン説明会のアーカイブ配信は、経営陣の生の声を直接届けることを可能にし、メッセージの理解度を深めます。
双方向的なコミュニケーションの促進
IRサイトは、投資家からのフィードバックや質問を受け付ける窓口としての役割も担います。
IRお問い合わせフォームやFAQセクションを設けることで、投資家は疑問点や関心事を直接企業に伝えることができます。
企業は投資家のニーズなどを把握し、IR活動や経営戦略に反映させるための貴重なインプットを得ることができるのではないでしょうか。
また、質問への迅速かつ丁寧な回答は、投資家との良好な関係構築に不可欠であり、エンゲージメントを高める機会となります。
IRサイトはどうあるべきか
ここではIRサイトのあるべき姿について紹介します!

01 信頼性|正確でタイムリーな情報提供の徹底
IRサイトにおける「信頼性」とはズバリ、掲載されている情報の正確性が担保され、かつ、それが常に最新の状態に保たれていること!
投資家は、IRサイトの情報を基に投資判断を行うため、その信頼性は企業価値に直結します。
信頼性を高めるための具体的な役割と要素
- 一次情報源としての徹底
- IRサイトは、証券取引所への開示情報など、すべての公式なIR情報の正本であるのが理想。
ニュースサイトなどが引用する際の、信頼できる情報源としての役割を担います。
- IRサイトは、証券取引所への開示情報など、すべての公式なIR情報の正本であるのが理想。
- タイムリーな更新と整合性
- 証券取引所での適時開示情報を開示すると同時に、IRサイトにも情報を掲載することが求められます。
- 過去の決算情報、開示情報、ニュースリリースなども整理してアーカイブしていつでも参照できるようにすることで、企業の歴史や変遷を追えるようにします。
- 責任体制の明確化
- IR担当部署の連絡先を明確に記載し、問い合わせに対応する体制を整えることも信頼性の一環です。誠実な対応は、投資家との良好な関係構築につながります。
02 透明性|経営の開かれた姿勢を示す情報開示
「透明性」とは、企業が投資家に対して、事業活動や経営状況を隠さず、積極的に開示する姿勢のこと。
これは健全なコーポレートガバナンスの表れであり、長期的な投資を呼び込む上で不可欠な要素なんです。
透明性を担保するための具体的な役割と要素
- 網羅的な情報開示
- 財務情報だけでなく、非財務情報の開示を強化することが求められます。
環境への取り組み、ダイバーシティ推進、コーポレートガバナンス体制などに関する情報を提供することで、企業の持続可能性と社会的責任への意識を示します。 - 企業の将来性を評価してもらうためには、具体的な成長戦略、市場環境、競争優位性、リスク要因などを分かりやすく説明する必要があるんです。
- 財務情報だけでなく、非財務情報の開示を強化することが求められます。
- 経営陣のメッセージの発信
- CEOやCFOからのメッセージは、企業の戦略や将来への展望を直接伝える貴重な機会です。
動画メッセージやインタビュー記事なども有効です!
- CEOやCFOからのメッセージは、企業の戦略や将来への展望を直接伝える貴重な機会です。
- ポジティブ・ネガティブ双方の情報開示
- 業績の下方修正や不祥事など、ネガティブな情報も迅速かつ誠実に開示することが、真の透明性を示します。
その際、原因の分析と対応策を明確に提示することで、企業の危機管理能力と改善への意欲をアピールできます。
- 業績の下方修正や不祥事など、ネガティブな情報も迅速かつ誠実に開示することが、真の透明性を示します。
03 ユーザビリティ・アクセシビリティ|誰にとっても使いやすいサイト設計
「ユーザビリティ」とはサイトの使いやすさを、「アクセシビリティ」とは誰もが情報にアクセスできる利用のしやすさを指します。
IRサイトは、特定の専門家だけでなく、様々な背景を持つ多様な投資家が利用するため、これら2つの要素は極めて重要です。
ユーザビリティ・アクセシビリティを高めるための具体的な役割と要素
- 直感的なナビゲーションと情報構造
- 「IR情報」セクションがどこにあるか一目で分かり、必要な情報に迷わずたどり着ける構造であることが重要です。
階層が深くなりすぎないよう、シンプルかつ論理的な情報設計を心がけます。
- 「IR情報」セクションがどこにあるか一目で分かり、必要な情報に迷わずたどり着ける構造であることが重要です。
- 多様なデバイス対応(レスポンシブデザイン)
- PCのほか、スマートフォンやタブレットなど、あらゆるデバイスから快適に閲覧できるよう、レスポンシブデザインを採用することが不可欠です。
- 情報の分かりやすさと視覚化
- 専門用語を避け、平易な言葉で説明すること。
決算情報などは、グラフや図、インフォグラフィックを多用し、視覚的に分かりやすく表現することが重要です。 - 動画コンテンツの活用も、情報をより分かりやすく、かつ魅力的に伝える上で有効です。
- 専門用語を避け、平易な言葉で説明すること。
- アクセシビリティの確保
- ガイドラインに準拠し、高齢者や障がいのある方も含め、誰もが等しく情報にアクセスできるような配慮が必要です。
例えば、文字サイズの変更機能、コントラスト比の高い配色などが挙げられます。
- ガイドラインに準拠し、高齢者や障がいのある方も含め、誰もが等しく情報にアクセスできるような配慮が必要です。
04 訴求力|企業の魅力と成長性を伝える力
「訴求力」とは、IRサイトが企業の持つ魅力や将来性、競争優位性を投資家に対して効果的に伝え、投資意欲を喚起する力を指します。
単なる事実の羅列に終わらず、企業のストーリーテリングを行うことが求められます。
訴求力を高めるための具体的な役割と要素
- 成長ストーリーの明確化
- 過去の業績だけでなく、将来の成長ドライバー、具体的な事業戦略などを明確に伝えることで、企業がどこに向かっているのか、どのように成長していくのかを具体的にイメージさせます。
- 競争優位性の強調
- 競合他社との比較や、自社の強みを具体的なデータや事例とともに示すことで、投資家が企業の独自価値を理解できるようにします。
- 差別化されたコンテンツ
- 動画やインフォグラフィックを効果的に活用し、複雑な情報を分かりやすく、魅力的に表現します。
- IRイベント情報の積極的な発信
- 決算説明会、個人投資家向け説明会、スモールミーティングなど、投資家との直接対話の機会を積極的に告知し、参加を促します。
これらのイベントは、企業の熱意と誠意を直接伝える場となり、訴求力を高めます。
- 決算説明会、個人投資家向け説明会、スモールミーティングなど、投資家との直接対話の機会を積極的に告知し、参加を促します。
04 IRライブラリー
過去に公開されたIR関連資料を体系的に整理し、いつでも閲覧・ダウンロードできるようにするセクションです。
投資家が企業の動向を分析する上で重要な情報源となります。
05 財務ハイライト
企業の主要な財務指標を分かりやすくまとめたセクションです。
一目で企業の業績トレンドや財務状況を把握できるようにします。
06 株式・株主情報
株式に関する基本的な情報や株主還元策、株主構成などを開示するセクションです。
株式投資を検討する上で不可欠な情報を提供します。
企業によっては以下の情報も重視されています。
- サステナビリティ|環境への取り組み、社会貢献活動、人権尊重、サプライチェーンマネジメントなどの非財務情報。
- FAQ(よくあるご質問)|投資家からよく寄せられる質問とその回答。
- IRお問い合わせ|IR担当部署への問い合わせフォームや連絡先。
- 個人投資家向け情報|個人投資家向け説明会の動画や資料、Q&Aなど、個人投資家に特化したコンテンツ。
インクデザインができること
インクデザインでは、IRサイトにまつわる支援を幅広くしています!

01 CMSの実装支援
CMS提供ベンダーと連携して実装します。CMSの入れ替えも対応します。
02 サイト全体の情報更新
IRサイトだけに関わらず、コーポレートサイト全体の情報更新も対応します。
03 Web統合報告書、株主通信
従来、冊子を株主に直接配布していた株主通信が、Webページに転換されるケースが多くなりました。
また、統合報告書の一部抜粋した内容をWebページに掲載することもできます。
04 IR資料などの作成
IRサイトに掲載する資料全般(決算説明資料、中期経営計画、統合報告書、インベスターズガイド、ファクトブック)の作成を、企画段階から伴走します。
05 個人投資家向けコンテンツ
個人投資家向けに、企業の歴史やビジネスモデル、将来性を分かりやすく伝えるWebページを作成します。
06 サイトリニューアル
IRサイトだけに関わらず、コーポレートサイト全体のリニューアルも対応します。
IRサイトで企業の価値をもっと伝わるものに。
インクデザインでは現在、「IRサイト診断」を無料で実施しています。
IRサイトの改善方針にお悩みのIRご担当者の方、ぜひお気軽にお問い合わせください!