オリンピック始まっていますね。
開会式での各国入場行進では、こんなにたくさんの国と地域があるのかと改めて驚かされました。
選手たち、旗、身にまとう服なども本当にいろいろで、知らない国でさえもなんだかイメージが湧くような、文化の一端に触れた気分になりとても面白かったです。
そんなわけで今回は決算関連資料の海外事例を集めてみました。
日本とは異なり株主通信こそありませんが、Annual Reportやその他法定資料などを各社が公開しています。
媒体はWebや冊子、PDFなどさまざまですが、パワーポイントベースのスライド資料でさえ洗練された雰囲気なのはさすがと感心させられます。それでは見ていきましょう。
スタイリッシュなパワーポイント資料
ABB Asea Brown Boveri Ltd
Q1 2021 results
アセア・ブラウン・ボベリはスイスに本社を置く企業で、主な事業は電力や重工業など。四半期報告のスライドですが、色味をしぼったグラフやアイコンがすっきりとしていてお洒落です。CIの赤を引き立てるグレーの使い方も参考になりそうです。
Adecco Management & Consulting SA
Q1 2021 results
こちらもスイスに本部を置くアデコ、人材サービスが主な事業です。シンプルな構成のなかに三角のキービジュアルがうまく使われていて統一感があります。カード調のオーバービューもシャープで洗練されています。
Alcon
1Q21 Earnings Presentation
コンタクトレンズで有名なアルコン、本社はスイス・ジュネーブです。写真を全面に使った扉ページが素敵です。素材力が問われますが、その分雰囲気やイメージを伝えることに長けています。
引用:https://s1.q4cdn.com/963204942/files/doc_financials/2021/q1/Alcon-Q1-2021-Earnings-Presentation.pdf
センスが光るアニュアルレポート
BARRY CALLEBAUT
Annual Report 2019/20
バリーカレボーはチューリッヒに本社を置くチョコレートメーカーです。コラージュ風なカバーデザインが遊び心とお洒落さを感じさせます。なか面のインフォグラフィックもあえてグリッドでレイアウトせずラフに展開。親しみやすいデザインです。
LONZA
Annual Report 2020
スイス・バーゼルに本部を置くバイオテクノロジー企業、ロンザです。こちらはWebでアニュアルレポートを展開、すっきりとしたフレームとビジュアルでコンテンツが並べられ導線が良いです。ところどころに入るローキーな写真でメリハリが効いています。
引用:https://annualreport.lonza.com/2020/
Swiss Prime Site AG
2020 ANNUAL REPORT
スイス・プライム・サイトは不動産や小売などの事業を広く展開する企業です。業績やアニュアルレポートを展開するWebページですが、デザインが非常にお洒落です。フォントのジャンプ率や、写真、余白のバランスが美しく設計されていて、整然としつつダイナミックさもあります。
引用:https://sps.swiss/en/group/investors/company-reports/2020
JPMorgan Chase & Co.
2020 ANNUAL REPORT
JPモルガン・チェースは米国の世界的な金融持株会社です。300ページ超のアニュアルレポートは文字による報告が主体ですが、冒頭のハイライトにインフォグラフィックがあります。重要箇所でのこうしたビジュアル展開は今後もトレンドとして続いていくのではないでしょうか。
L’Oréal
Rapport annuel 2020
ロレアルのアニュアルレポートのWebページです。美しいフォント、クオリティの高い写真、インタラクティブな動きもあり飽きさせません。テーマごとに変わるシックな背景色もハイセンスです。
引用:https://www.loreal-finance.com/fr/rapport-annuel-2020
PolyNovo
2020 Reports
ポリノボはオーストラリアのバイオテクノロジー企業です。ロゴをイメージさせるデザインや、明るい緑と紺の使い方で先進的なサイエンス感を演出しています。冒頭のスナップショットはちょっとした地図が入ることで非常にわかりやすくなっています。
引用:https://usa.polynovo.com/wp-content/uploads/sites/4/2020/08/FY20-AR-Final.pdf
UNICEF USA
Annual Report 2020
ユニセフUSAのインフォグラフィックを多用したアニュアルレポートです。黒、水色、オレンジといったショッキングな配色が印象的で、子どもたちをとりまく環境と危機意識をうまく訴求しているのではないかと思います。
引用:https://www.unicefusa.org/sites/default/files/UNICEF_USA_2020_Annual_Report.pdf
企業価値や社会貢献を訴求するその他資料
Credit Suisse
Sustainability Report 2020
世界的に有名な銀行・金融機関であるクレディ・スイス。格式高い企業ですが、こちらはサステナビリティレポートということもありほどよい柔らかさ。竹林のカバーはどこか和風な感じさえしますが、成長や持続性を表現しているのかと思います。インフォグラフィックページも素敵です。
引用:https://reports.credit-suisse.com/en/2020SR/report/sustainability-report-2020
Deloitte
2020 GLOBAL IMPACT REPORT
ビッグ4と呼ばれる4大会計事務所のひとつ、デロイト トーマツのグローバルインパクトレポートです。黒背景を基調に鮮やかな色味をのせていて目を引きます。インフォグラフィックによるグラフや統計もカラフルですが、黒があることで程よく引き締まっています。
Microsoft
Global Diversity & Inclusion Report
マイクロソフト、もはや知らない人はいないでしょう。ダイバーシティ&インクルージョンは多様性を認め合い、活かし合っていくという考え方です。さまざまな人物写真やエレメントを合わせたデザインで多様性を表現してます。青と紫を交互に使ったグラフや数字は、明るさとリズムを感じさせます。
引用:https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE4H2f8
いかがでしたでしょうか。欧州企業と米国企業を中心に引用させていただきました。
各社ともデザインやトンマナで独自の雰囲気を出しながらも全体的にすっきりまとめています。
イラストや数字、グラフを組み合わせるインフォグラフィックは理解を深めるのに特に効果的で、このトレンドは今後も続いていくと考えられます。
発信する側は丁寧に伝えたいがゆえについつい要素を盛り込みたくなりがちですが、情報の強弱をしっかりコントロールしつつ簡潔にすることで、優先順位がわかる機能的な資料になります。
ぜひクオリティの高い資料をつくる皆様の参考としていただけたら幸いです。
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