タイトスカートのオーダーメイドサービス「kotowari」さまの、
スカートに同梱されるカードのイラスト・デザインを制作いたしました!
表面には、タイトスカートを履いたさまざまな女性たちを
裏面にはスカートの生地や形について表記できるデザインになっています。
今回は、イラストのメイキングをご紹介します。
イラストの制作がどのように行われているか、ほんの一例ですがご参考になれば幸いです!
1:タッチの方向性を決める
女性を異なる3つのタッチで描いたものを作成し、タッチの方向性を探ります。
ポイントは、「30代~40代の女性に向けた、ガーリーすぎない・自立した女性のイメージ」であること。
kotowariさまとの打ち合わせを踏まえてつくったこちらをご提案し、
Aのタッチで制作していくことが決定しました。
2:【下書き編1】女性のポーズを探る
今回のオーダーは、「kotowariさまのタイトスカートを履いた4人の女性」のイラストです。
特に気をつけたのは
・4人の個性を十分に出すように、似通ったポーズを描かないようにする
・タイトスカートが魅力的に見えるようにする(=ファッション性のあるイラストにする)
の2点です。
実例に学ぶのが早い!ということで「dマガジン」を駆使し、
30~40代向け女性ファッション誌に目を通しながらポーズ案を書き出していきます。
このように、メモパッドにシャーペンでザカザカと描いていきます。
3:【下書き編2】ディティールを描き込んでいく
ポーズ案を出したあと、よりkotowariさまの考える女性像に近い・かつ個性の出そうな4つを選び
細かいディティールを描き込んでいきます。
新しいメモパッドに鉛筆を使って描きます。個人的に一番時間がかかる作業です。
4つの下書きが完成しました。この段階で一度、kotowariさまにお見せします。
4:【本書き編1】線画
kotowariさまからのフィードバックも反映しながら、いよいよ本書きに入ります!
今回はケント紙にマルチライナー・グレーのコピック・トレース台を使って描きました。
デジタルデバイスを選ばなかった理由としては、
デジタルは画面をいくらでも拡大して描くことができるため
今回のように、「全身を描く」というバランスが非常に大事なイラストの場合
自分にとっては扱いづらかったからです。
kotowariさまのフィードバックでは、例えば
こちらの女性、ちょっと20代っぽいかも
ということで、髪型やスカート丈、小物などを変えてもう少し大人の雰囲気にしたりしています。
また、kotowariさまのフィードバックとは別に自分のなかで
・提案時のイラストだと小さなカードのわりに線が細すぎるから、少し太くしてハッキリと
・髪にだけ濃淡をつけるのはヘンかも?服がのっぺり見えるから、影をつけてみよう
という2点も踏まえて描きます。
線画完了。時間はそこまでかからないのですが、集中して描くので疲れます。
スキャンして再度kotowariさまにお見せしてから、いよいよ仕上げに入ります!
5:【本書き編2】着色
着色はphotoshopで行います。といっても、主にバケツツールでベタの色を乗せていくだけです。
しかし、ここで問題が。
やっぱり影がうるさいかも…!!!影を消すことを決心。
これは私のミスなのですが、影をつける前にもスキャンをとっておけばよかったものの
影をつけた状態のスキャン原稿しかなかったため、レベル補正や消しゴムを使って力づくで消します。
消しました。
こういうときはデジタルイラストの方が便利だなと思います…。
気を取り直して色をつけたら、完成です!
このような流れで今回のイラストは作成しました。
案件によってもっとスンナリ作れることもあれば、もっと試行錯誤することもありますし、
気を付けるポイントや道具も変わります。
今回はファッション系のイラストだったのでとにかくdマガジンにお世話になりました。
pinterestなどを参考にしてももちろんいいのですが、
雑誌の統一されたテーマのもと、たくさんの写真を一気に見れたことや
「今年の雰囲気」みたいなものをなんとなくでも感じることができて助かりました。
また、若い子の服装とは何がちがうのか?を探るためにティーン向けの雑誌なども参考できたのがよかったです。
みなさんのご参考になれば幸いです!(金子)