2025-01-26更新
IR資料は、幅広い投資家や利害関係者に情報を伝えるためにもアクセシビリティが求められます。
特にサステナビリティやダイバーシティの観点においても多様な読み手に届けられるよう、アクセシビリティ向上はこれからの課題になると思います。
また、アクセシビリティを向上させることで、「誰にでもわかりやすい」ユニバーサルデザインに配慮した資料になると言えます。
投資家も基本的には忙しく時間がない中、効率的に情報を得たいと考えますので、「誰にでもわかりやすい」という考えは大切だと思います。
この記事では、「10のポイント」に沿って、誰もが利用しやすいユニバーサルデザインの考え方を取り入れる方法を解説します。
それでは行ってみましょう!
1. ユニバーサルフォントを使う
視認性の高いフォントを選択することで、読み手の負担を軽減します。具体的には、以下の特徴を持つフォントを使用することをオススメします。
- ゴシック体などのシンプルで均一なデザインのフォント。
- 日本語では「BIZ UDゴシック」や「メイリオ」「Meiryo UI」「遊ゴシック」など。
- 欧文では「Arial」や「Aptos」など。
特に、「BIZ UDゴシック」はUD fontマークを掲載できるのでオススメです。
もちろん、 文字のサイズを小さくしすぎないのは前提になります。
グレーの文字色もトレンドですが、視認性の良い黒を使うのがよいかと思います。
2. 配色を考える
資料の配色は、色覚に配慮して選ぶ必要があります。以下を意識しましょう。
- 明度差を利用してコントラストを強調する
- 赤と緑などの色覚障害に配慮した組み合わせを避ける
- カラーユニバーサルデザイン(CUD)対応の配色ガイドラインを参考にする
- 色覚異常者に向けたシミュレーションを行い、見えにくい箇所はデザイン的な補助を取り入れる。
3. 色だけで情報を区別しない
重要な情報を色だけで示すことは避けましょう。代わりに以下の工夫を行います。
- アイコンやパターンを追加する
- テキストやラベルを併用する
4. スライドタイトルを設定する
各ページやセクションには明確なタイトルを設定し、内容を一目で把握できるようにします。タイトルは簡潔かつ具体的に記載しましょう。
5. スライドにはリード(要旨)を記載する
スライドやページごとに要旨を記載することで、読み手が全体像を迅速に理解できます。要旨は以下の点を考慮して作成します。
- 簡潔で具体的
- ページ内のポイントを簡単にまとめた内容
6. フォーマットに沿ったデザインを行う
一貫したフォーマットを採用することで、資料全体の整合性と視認性が向上します。
上記のタイトルとリードの位置を固定することで、情報収集に迷いません。
- 見出しや本文の位置やフォントサイズを統一
- 余白や行間を適切に設定
- 図表やグラフのデザインを統一
7. 表やグラフにはタイトルを設定する
表やグラフにもタイトルを設定し、その内容を簡単に理解できるようにします。また、以下の工夫を追加しましょう。
- データの単位や出典を明記
- 補足説明をキャプションとして加える
8. しおりを作成する
PDF形式で提供する場合は、しおりを作成して、資料全体の構造を明確にします。しおりを活用することで、以下のメリットがあります。
- 資料の目的別に素早くアクセス可能
- 長い資料の中で必要な情報を容易に見つけられる
上記5.のスライドのタイトルを記載することでしおりの生成もできることがあります。
9. 画像にはalt設定をする
画像を使用する際には、代替テキスト(altテキスト)を設定して、視覚に頼らない情報提供を可能にします。
読み上げソフトなどでも有効ですね。
オルトテキストを設定する際のポイント
- 画像の内容や目的を簡潔に説明
- 長すぎず、必要な情報に絞る
10.簡潔な文章表現を心がける
文章は、できるだけ簡潔かつ明瞭に表現します。特に以下の点を意識しましょう。
- 長い文章を短く区切る
- 専門用語を避け、簡単な言葉で説明する
IR資料のアクセシビリティ向上のまとめ
デザインやイメージなどを兼ねあわせで、全てを反映することは難しいかもしれませんが、開示資料として、読み手の多様性に対応するために、ユニバーサルデザインを考慮することは大切かと感じます。
特に、サステナビリティ、人権、ダイバーシティなどが企業にとっての重要課題になっていますので、取り組むべきかと思います。
パワーポイントでは、「アクセシビリティ」のメニューも多数用意されているので活用しましょう。
もちろん、インクデザインでもこれらアクセシビリティやユニバーサルデザインに配慮した資料のデザインやコンサルティングなども提案いたします。
現資料の無料診断なども行いますので、お気軽にご相談ください!