
はじめに
私たちインクデザインは、IR分野に特化したデザイン制作会社です。 冊子、スライド、ウェブサイトなどなど…日々様々なデザインを行なっています。
どんなものも、一人では出来上がりません。 クライアント様をはじめ、社内では同僚や先輩・後輩、ときには社外の方も。 デザインが出来上がるまでには、色々な人が関わっています。
「一人で制作していたら気にならないこと」は 「みんなで作業するからこそ気をつけないといけないこと」だったりします。 その一つが、今回ご紹介する「データ整理、フォルダ整理の方法」です。
インクデザインのメンバーは現在30名程度。 決して大所帯!というわけではない規模感の私たちですが 「共同作業におけるデータ整理の方法」では課題がありました。
課題だったこと
私たちはDropboxを使ってデータを管理しています。 テレワークも多いため、バージョン管理や共同作業では非常に心強いツールです。 日頃使う中で、メンバーの多くが認識していた課題は大きく3つです。
1.目的のデータを見つけにくい
データの作成者がそれぞれ微妙に違う方法でデータを整理していて、 途中から合流する際は都度そのフォルダ構成に頭と目を慣らす必要がありました。 散らかっていても、細かくフォルダ分けされていても見つけにくさに繋がります。
2.不要なデータか分からない、判別や仕分けに時間がかかる
捨てていいデータかな? → 悩む時間がもったいない! とりあえずとっておこう → 保存容量がもったいない!
年末年始に社長自らが一人でデータの仕分け作業していたことも。。
3.実はルールが存在していたが浸透していなかった
守っている人とそうでない人の差が徐々に出ていました。 「私は守ってるのに」「みんなこうしてほしい」など小さなストレスに繋がります。
考えた解決策

そもそもなぜフォルダの中身がわかりにくくなるのか? 誰しもゴチャゴチャさせたいわけではないのに、です。 でも例えば、散らかった部屋を整理するとしたら
「予め決められた場所にしまう」(服はクローゼット、ゴミはゴミ箱、など)
という方法で片付けますよね。 これをデータ整理にもあてはめることができると考えました。
「予め使うフォルダを用意する」ということです。しまうものが書かれた棚や引き出しのようなイメージですね。つまり「フォルダのフォーマット」を考案して それをみんなが使えば自然とデータが正しく整理されるのでは!ということです。

みんなが使いやすいフォーマットを考えるにあたって、 次のことを指針としました。
- 【アクセス性】誰が見ても、あとから見ても理解しやすいこと
- 【一覧性】保存するデータ、捨てるデータが分かりやすいこと
- 【操作性】運用のルールをシンプルにすること
文字にすると当たり前のことではありますが、既存メンバーはもちろん 新入社員さんにも使いやすいフォルダ構成にすることで業務効率UPを目指します!
「誰が見ても、あとから見ても整理しやすい」のためにやったこと
メインの制作データは第一階層に置く
案件に途中から合流したとき、数ヶ月後にデータを見返したときよく起こるのが 「最新データはどこ?どれ?」です。 その都度記憶を掘り起こしたり、担当者に聞きに行くのは非効率です。 制作データの置き場所を案件や担当者ごとに決めるのではなく ある程度統一しておくことでデータへのアクセスや管理がしやすくなります。
「保存するデータ、捨てるデータが分かりやすい」のためにやったこと
フォルダ名の先頭にアルファベットや番号をつける
作業フローに沿ってABC…などを頭につけることでフォルダが順番に並んで見やすくなります。 例えば、アルファベットをつけないとこのような並びになります。
- その他
- デザイン履歴
- 参考資料
- 社内チェック
- 先方支給
- 提出
個人的には「その他」が一番上にあるのがなんだか気持ち悪いです。
つけてあげるとこう並びます。
- A_先方支給
- B_社内チェック
- C_提出
- D_参考資料
- E_デザイン履歴
- その他
たったこれだけでも意外と見やすくなります。
最終的に削除するデータは、データ名の先頭にハイフン(-)を付ける
作業中は必要でも、納品後は取っておかなくてもいいデータに関しては データ名の先頭にハイフンを付けることをルールにしました。
「必要なデータは残し、不要なデータを削除する」
一見、難しくない作業なのですが、データが膨大だったり これは取っておくべき?捨ててOK?なデータが出てくると 一つ一つ確認していかなくてはならず、時間を取られる作業になりがちです。 だったら作業中からそれが分かるように整理していけばいい、ということです。

以上を踏まえて命名したフォルダの例がこちらです。
- -A_先方支給
- -B_社内チェック
- -C_提出
- -D_参考資料
- -E_デザイン履歴
- その他
「運用のルールをシンプルにする」のためにやったこと
社内の既存ルールを踏襲したルールを考える
これにより社内でも受け入れやすく浸透しやすいものにできると考えました。 例えば「制作データを第一階層に置く」というルールを改めて意識しよう、とか フォルダの命名方法についても、新しい名前を考えるのではなく 既に社内で浸透している名前を引き続き使用することも効果的だと思います。 「社内チェック」という言葉が浸透しているから、わざわざ 「社内確認用データ」のような新しい名前にはしない、というイメージです。
最後に、整えたルールを文字に起こしてマニュアル化を行い 振り返りや新入社員への周知もしやすい体制をつくりました!

マニュアル化にあたり大変だったこと
業務の合間での作業になるので作業や思考を後回しにしがち
提案へのフィードバックやアドバイスの集約など、 つい「今忙しいから後で…」を繰り返してしまいがちでした。 しかし日々対面する色々なフォルダを前に「早く何とかしたい…」 と気持ちを持ち上げていくことを心がけました!
良かったこと
チームオーナーやメンバーの考え方、経験などを知ることができた!
テレワークが多い私たち。リアル出社と比べると業務以外のことを話す機会が 少ないこともあり、色んな話や意見を聞くことができたのが良かったです。
ふんわりしていたルールを明文化できた!
削除するデータと保存すべきデータの考え方、データの命名など。 何度も聞かれていたかも、でも文書として残していなかったことを マニュアル化することで明文化できました! Notionでマニュアル化するとアクセスや編集が容易なのも嬉しいポイントです。
終わりに
開始間もない、フォルダフォーマットを使うというデータ整理の方法ですが 3月に行った社内アンケートでは「分かりやすくなった」「引き継ぎがしやすくなった」 といった肯定的な感想や「こうするとよりよいのでは」「ここが分かりにくいかも」 というご提案をいただいたところです。
私自身も現在、足りない部分や改善できる点がありそうだなと思っています。 メンバーみんなにとって、さらに使いやすいフォーマットになるよう これからも改善に取り組んでいけたらと思います!