ざっくりわかる「昆明・モントリオール生物多様性枠組」

場面は、AIに関わる事業で急成長している企業のCEOであるマコトが自社のサステナビリティ活動について相談するため、恩師であるジュン博士の研究室を訪れるところから始まる。

博士、先日(2023年12月12日)、経団連が「経団連生物多様性宣言・行動指針」を改定したというニュースがあって、
よく読んでいくと、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」がその指針の原点にあるようなのですが、これってどんなことなんですか?

うむ。
「昆明・モントリオール生物多様性枠組」は、2022年12月に採択された、国際的な生物多様性保全のための新しい枠組みだよ。
この枠組みは、国連の生物多様性条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)で採択されたもので、全世界が直面している生物多様性の危機に対応するために設定されたものなんだ。

博士は机の上の地球儀を回しながら続ける。

この枠組みは、生物多様性の損失を防ぎ、自然との共生を目指すことを目的としている。
具体的には、2050年までに生物多様性の保全と持続可能な利用を促進するための目標が設定されている。
ざっくり言うと、このままでは、絶滅する種も出てしまうし、数も減ってしまう。それを防ごうっていう考えだ。

それは、私たち企業にとっても重要なことですよね?

もちろんだ。企業活動と生物多様性の保全は密接に関連しているからね。

もっと詳しく教えて下さい。

この枠組みには、大きく分けて2050年のビジョン、2050年のゴール、2030年のミッション、2030年のターゲットがあるんだ。
順を追って説明するぞ。

2050年ビジョン
2050年ビジョンは2050年にどんな世界を目指すかということで、端的に言うと「自然と共生する世界」。
2050年までに、生物多様性の重要性を理解し、その保護と回復に努め、賢く使いながら、健康な地球を保ち、すべての人は必要な恩恵を受けることができる。
そんな世界だな。

マコトは真剣に話を聞く。

2050年ゴール
2050年ゴールは、4つの長期的な具体的なゴールが設定されている。
 ざっくり言うと、
ゴール A – 生態系と種の保護と回復
ゴール B – 持続可能な利用と自然の寄与の強化
ゴール C – 遺伝資源の公正な利益配分
ゴール D – 資金と実施手段の確保
 
これらは、「生物多様性の保全」、「持続可能な利用」、「利益の公平な配分」という生物多様性条約の三つの目的を踏まえたもので、自然の回復力を高め、生物多様性の損失を反転させることを目指しているな。

博士は続ける。

2030年ミッション
2050年へ向けた中間的な目標として設定されており、
自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め反転させる行動のことだ。

また、種や生態系の保護だけでなく、解決策を通じて、「気候変動」、「食料安全保障」、「健康」、「水資源」などの社会的課題に対処することを目指している。
これは生物多様性保全が人間の福祉や地球の持続可能性に直接貢献することが意味されている。
つまりは、全て自分ごとってことだな。

2030年ターゲット
2030年ターゲットは、短期的な達成目標であり、生物多様性の保全に関する具体的な指標と行動を示されているな。
明確なターゲットが示されているので、公共団体や企業も大枠として、自分で出来ることに当てはめやすいと思うぞ。

それぞれの関係性のおさらいじゃが、
2050年ビジョンは、全体的な長期的な目指すべき世界。
2050年ゴールは、ビジョンを実現するための具体的な到達点。
2030年ミッションは、2050年ゴールに向けての中期的なステップ。
2030年ターゲットは、2030年ミッションを達成するための具体的な目標。

ということだ。

日本では、この枠組みに対してどのような取り組みが行われているんですか?

日本政府は『生物多様性国家戦略2023-2030』を策定しているよ。
これは、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を踏まえた国内の行動計画だね。
そして、君がニュースで見たとおりの、経団連でもそれを受けて、「経団連生物多様性宣言・行動指針」を改訂した。
今後、行政や企業でも生物多様性に対する具体的な取り組みが進むと思うな。

では、企業として、私たちはどのように対応すればいいですか?

企業は、サステイナブルなサプライチェーンの管理、持続可能な資源の利用、環境保全技術の開発などを通じて、生物多様性の保全に貢献することができる。

具体的には、生態系に配慮した製品開発や、生物多様性の保全を考慮した事業活動が重要になる。また、透明な情報開示とステークホルダーとのコミュニケーションも大切だね。

それらを実行することで、私たちのビジネスにもプラスになるんですか?

もちろんだ。持続可能なビジネスモデルは、企業の長期的な競争力を高め、ブランド価値を向上させることができる。
環境に優しいイノベーションは市場での新しい機会を生み出すし、リスク管理にも役立つよ。

それは良い知らせですね。私たちの会社も、より積極的に生物多様性の保全に取り組む必要がありますね。

その通りだよ。企業は社会の一員として、生物多様性の保全に向けた責任と役割を果たすことが重要だ。それは、経済成長と地球の健全な未来を同時に実現するための鍵なんだ。
今日の対話で学んだことを忘れず、企業を通じて大いなる自然の物語に貢献していってほしい。

はい、博士。私たちは自然と共に生き、自然を通じて学び、自然を守る使命を全うします。
生物多様性の豊かな地球は、私たちの子孫に残す最も貴重な遺産ですから。

ジュン博士の研究室を後にしたマコトは、新たな誓いを胸に、実行に移す決意を固める。
これは単なる終わりではなく、持続可能な未来への新たな物語の始まりだった。
自然との共生、生物多様性の保全は、今や彼のビジョンの中核となり、それを達成するために彼の企業は行動を起こすのだ。


この記事はざっくりとわかりやすく伝えるために、資料や発表などをもとに独自で編集した記事です。
わかりやすく表現するために一部意訳などを含んでいます。
詳しくは参考元などの資料をご覧下さい。

参考・引用:
経団連生物多様性宣言・行動指針
環境省 昆明・モントリオール生物多様性枠組
「生物多様性国家戦略2023-2030」の閣議決定について

【実績紹介】トビラシステムズ株式会社様決算説明資料

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