2020年5月のゴールデンウィーク。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大は全国に広がり、緊急事態宣言の状況下にあります。
自粛が続き経済も停滞し、その影響は当社にも押し寄せています。
仕事が減ったり、納期が伸びたり、停滞したりという・・・
今のそのような影響は、それは耐え続ければ必ず終わりは来ると思っています。
しかし、感染症やウイルスと共存しなければならない時代、これから先世の中の価値観がガラッと変わるのでは。
「その変化についていけるのか?」
その不安や心配のほうが大きいです。
世の中、デザインの業界、そして当社どのように変わって行くのか、全く予測できるものではないですが、今思っていることを記したいと思います。
一人勝ちができない世界。
当然ですが、ビジネスの世界では競争があり、勝ち負けや、一番という価値観は一般的です。
これからの価値観は勝ち負けよりも、まずは生き残り。
そして一人が生き残っても生きられる世界ではないので、共存共栄の考え方が一般的になるのではと思います。
シェアやギブ、利他の価値観がより明確になり、企業のブランディングや広報も今までの訴求方法は通用しなくなるのでは。
自分にメリットがある、安い、効率的という訴求よりも、社会に貢献している、人のためになる、おもしろい・・・などの訴求が(もともと最近その傾向はありましたが)求められるようになると思います。
発信力が問われる
人に会えなくなる状況で、オンラインで発信を続けることが、外部との接触ポイントのほとんどになります。
頻度も当然ながら、質が問われます。
オンラインでの情報がより多くなる状況で、刺さらない発信は労力の無駄でしかなく、取材力、ライティング能力、編集力が必要になってくると思います。
単に、作業するだけの、言われたことだけを行うクリエイターは価値がなくなってくるのでは?
切り口が重要になる。
刺さる発信、差別化した発信には独自のエッジのある切り口が必要になります。
上辺だけの言葉より、考えを吐き出すような発信が価値を得てくると思います。
ただ、人を不幸にする発信はNG。
そんな独自の考え方、疑問、見方などのオンリーワン力が必要になってくるのでは。
また、重複になりますが、人のためになる、おもしろい、などの切り口が求められると思うし、それが本音かどうかも見透かされると思います。
速さが求められる
シンプルにこれだけ変化が激しい世の中、それに対応するスピードも重要。
「やろう」と思ったことをすぐに試してみる。
そのためにはクオリティを犠牲にする局面も多くなると思います。
オンライン化が進むのか?どうなのか?
人との接触が減り、アプトプットはwebが中心に。
もともと減少傾向にあった紙メディアは大きなダメージを受けるのは間違いないと思います。
がしかし、紙ならではの接触するメデイアは振り戻しがあると思います。
感情や情緒を伝えるには手触りや匂いなど、五感に訴える紙メディアの優位性は失われないと思います。
情報を伝える役割は終わりへ向かうかもしれませんが、モノとして存在は残るかもと思います。
そもそもモノの価値が再定義される時代なので、もしかしたらそれも未知ですが、いちデザイナーとしては紙の価値をまだ信じています。
場所の価値はなくなる?
当社では既に3ヶ月テレワークです。
問題なく業務を行える体制は整えているので、大きな問題はないです。
もともと、オフィスを持たずにシェアオフィスで過ごしていたので、オフィスがあろうがなかろうが関係ないと思っていました。
がしかし、スタッフとの関係を考えると、同じ場で働くのは、毎日でなくても必要かと、今は思ってます。
with COVID-19ではこれから地方が見直されて、企業移転や移住が進むことは間違いないと思います。
当社も茨城県に事務所があります。
ただ、移動自粛の中、茨城の事務所にも3ヶ月行っていないです。
地方だから、東京だから・・・という考えではなく、場所や状態にかかわらず一定して価値を提供できるのがこれからだと考えています。
結局は自分がやりたいかどうか
BCPの一環で私が感染して死亡した場合の行動を記載したり、家族にも誰かが感染した際の対策を話したりしています。
また、いろいろと一人考える時間も多くなりました。
これは私感ですが、今回のCOVID-19の騒動で少なくても死がより身近なこととして捉えるようになったのは実感です。
ならば、やっぱりやりたいことをやりたい。
まずは身近な人を守る。
家族、友達、従業員、お客さん。
身近な人を守れてはじめて、他人や社会へ気がまわる余裕がでてくる気がします。
そして、やっぱり好きな「デザイン」。
下手だけどそれしかないし・・・
デザインを通じて変化する世のため人のためになれればと思っています。
身近な人を大切に。そして好きな「デザイン」を通して今の世の中のために。それをおもしろく、みずからが楽しめるように。
そんな気持ちなんです。
(代表 鈴木)