博士がわかりやすく教える「アクセシビリティって何?」

小学生のケンとユイは、先日ジュン博士に教えてもらったサステナビリティについて考えていました。彼らは再びジュン博士の研究所にやってきました。

「ジュン博士、こんにちは!」ケンとユイは元気よく挨拶しました。

こんにちは、ケンくん、ユイちゃん。この前はサステナビリティについて話したね。今日は何について話そうかな?

ジュン博士は微笑んで尋ねました。

「アクセシビリティ」について知りたいんです!この間テレビで見たんですけど、意味がよく分からなくて…。

そうなんです。サステナビリティとアクセシビリティって言葉は似ているけど関係しているんですか?

ケンとユイが興奮気味に答えました。
ジュン博士はケンとユイにニッコリ笑ってから、向き合って説明を始めました。

アクセシビリティについて知りたいんだね。それは素晴らしいね。
アクセシビリティは、すべての人が平等に参加できるようにすることを指すんだ。
身体的な障がいや年齢、性別、文化的な背景に関係なく、誰もが同じ機会を持つことができる状態。これは、施設やサービス、情報などが、すべての人にとって利用しやすい状態になっていることを意味するんじゃよ。

なるほど、アクセシビリティはサステナビリティと似ているけど、ちょっと違うんですね。

ユイが言いました。

そうだね、ユイちゃん。
ざっくり言うと、サステナビリティは地球や社会を大切にする考え方だけど、アクセシビリティは人々が平等に参加できるようにするための考え方なんじゃ。でも、両方とも社会をより良くするための大切な考え方じゃよ。

それで、アクセシビリティを実行し続けることで世の中にはどんな影響があるんですか?

ジュン博士は笑顔で説明を始めました。

アクセシビリティを実行し続けることは、社会をより包括的にするんじゃ。包括的って難しいけど、これは、障がいのある人や高齢者など、すべての人が、みんなと同じように社会に参加できるようにすることを意味するよ。

例えば、車椅子を使う人が建物に入りやすいようにスロープを設置したり、視覚障がい者が情報を得やすいように、大きな文字や点字を使ったりすることがあるんじゃよ。

そして、企業や施設がアクセシビリティを考慮すると、新しい市場や顧客層にアプローチできるようになる。
例えば、バリアフリーな店舗やウェブサイトを提供することで、多様な顧客にサービスを提供できるようになるんじゃ。その結果、経済的な利益を得ることができる。アクセシビリティは、みんなにとって良いことと言えるね。

バリアフリーとアクセシビリティは似てるように感じます。どんな違いがあるんですか?

そうじゃな。
バリアフリーは、障がいのある人や高齢者など、特定のニーズを持つ人々が、物理的な障壁や制約なしに施設や環境にアクセスできる状態を指すよ。
例えば、車椅子の利用者が建物にスムーズに入れるようにスロープが設置されたり、点字や音声案内があることで視覚障がい者が建物内を自由に移動できるようにすることがバリアフリーじゃ。

一方、アクセシビリティはバリアフリーと同様に、障がいのある人や特定のニーズを持つ人々に対して、施設やサービスが利用しやすい状態を提供することを指すよ。
しかし、アクセシビリティは物理的なバリアだけでなく、情報やコミュニケーションの面でも考慮される。例えば、ウェブサイトがスクリーンリーダーに対応していたり、大きな文字や明るい色が使われていたりすることも、アクセシビリティの一環じゃ。
つまり、ざっくり言うと、バリアフリーは主に物理的な障壁の除去を指し、アクセシビリティはより広範囲で、身体的な障壁だけでなく情報やコミュニケーションの障壁も含めた状態を指すんじゃよ。

なるほど、
アクセシビリティのような考えは企業にも大切なんですか?

ケンが興味津々に聞きました。

もちろんじゃ!
企業がアクセシビリティに取り組むと、たくさんの人がその企業のサービスや商品を使えるようになる。

例えば、障がいのある人や高齢者、異なる言語を話す人たちも、その企業の商品やサービスを利用できるようになるんじゃよ。
それに、アクセシビリティに関する法律や規則に従うことも大切じゃな。
そして企業がアクセシビリティに気を配ることで新しいお客さんを呼び込んだり、他の企業と競争力を高めたりすることができるんじゃよ。

すごいですね!アクセシビリティは重要なことなんですね。

ユイが感心して言いました。

そうだね。企業においてもアクセシビリティを実行することは、社会的責任を果たすことや経済的な利益を得ることにつながるんじゃ。

ニュースを見ていたら、今月から合理的配慮の提供が義務化されたって言ってました。
すごく難しい言葉だけど、アクセシビリティと関係がありそう?一体どんなことが変わるんですか?

ケンが尋ねました。

うむ、そんな難しい言葉をよく知っているね。
2021年に障害者差別解消法が改正されて、2024年4月から合理的配慮の提供が義務化されたんじゃよ。

例えばスーパーに視覚障がいのお客さんが入店したときに、欲しい商品の場所が分からず店員さんに教えてもらう必要があるかもしれないね。
そんなときに店員さんは障害を理由として、サービの提供を断ってはいけない。障がいを持つ人々が、障がいがない人と同じようにスーパーのサービスを利用できるように配慮することが義務付けられたんじゃ。
日本は障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる社会(共生社会)を実現することを目指しているんじゃよ。

どんな障がいを持っている人が対象なんですか?

この法における「障害者」とは、障害者手帳を持っている人のことだけじゃないよ。
身体障害のある人、知的障害のある人、精神障害のある人(発達障害や高次脳機能障害のある人も含まれるよ)、その他にも心や体のはたらきに障害がある人で、障害や社会の中にあるバリアによって、日常生活や社会生活に制限を受けている人全てが対象とされているんじゃ。障害のあるこどもも含まれるんじゃよ。

なるほど、広い範囲の人が対象なんですね。みんなが同じようにサービスを受けられるようにするって大切なことだと思います。

そうだね。みんなが安心して生活できるように、協力していきたいね。

その通りだね。みんなが協力し合って、障がいを持つ人たちも含めて社会全体が支え合えるように努めることが大切なんじゃ。だから、これからもみんなでサステナビリティやアクセシビリティについて考えていこうね。

ジュン博士は優しく言いました。

ケンとユイはジュン博士の話を聞きながら、将来の社会に向けて夢を膨らませました。
彼らは新たなアクセシビリティの理解を深め、社会の包括性を高めるために一緒に努力し続けることを誓いました。そして、明るい未来へ向かっていくのでした。

出典:内閣府HP リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet-r05.html

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