インクデザイン株式会社 代表の鈴木です。
今日は、「IR資料にデザインは必要なのか?」というテーマで短いコラムを書いてみたいと思います。
よく、IR資料に限らず統合報告書などのIRツールにおいては、デザインがキレイなアウトプットに対して、「そこまで必要なのか?」「本質と違う」「その予算を他にかけるべき」など、否定的な意見を見ることもありますね。
もちろん、その意見も頷けることもありますし、アウトプットである以上多様な意見があるのが健全だと考えます。
今回、僕は「IR資料にデザインは必要なのか?」という問いに対して、声高らかに「絶対必要!!」というデザイン原理主義を唱えるわけではなく、「こんな考えでデザインに向き合っています」という考えを知ってもらればと思ってこの記事を書くことにしました。
それではいってみましょう〜!
資料デザインには2つの解釈がある。
まず、デザインはその役割によって大きく2つにわかれます。
・あなたのことを想っています。デザイン
・私のこと好きになってください。デザイン
おぉ、なんか変なことを言い出したなと心配かもしれませんが、どうか最後まで読んでください。
それぞれに対して説明をしていきます!
あなたのことを想っています。デザイン
ひとことで言うと「わかりやすさ」
「わかりやすさ」は誰のためか?読み手(IRでは株主・投資家など)のためのものです。
忙しく、情報に溢れた毎日で、1秒でも早く内容を伝えることは、読み手の負担を減らすもの。
読み手のことを考え、いかにわかりやすい情報を伝えるか。伝える側の気持ちが問われます。
そして加えるなら「おもしろさ」これは「ユーモア」ではなく、「興味深い」という意味のおもしろさ。
せっかく時間を割いて資料を読んでくれるのであれば、何か得るものがあって欲しい。
そんな読み手を想った気持ちが大切なのかと考えます。
実は、このような「わかりやすさ」「おもしろさ」を伝えるデザインは、派手ではなく、質実なものであるので、否定的な意見がでることも少ないアウトプットかと。
僕は、IR資料においてはこの「わかりやすさ」には配慮する必要があると考えます。
しかしながら、罪深いことに、自分のことは自分ではわからないのが人間なので、僕たちデザイナーが存在します。ぜひ頼って下さい!
私のこと好きになってください。デザイン
こちらは、いわゆる世の中に認知されているデザインの意になると思います。
私はこういう人(企業)で、こんな考えをしているから、私のこと好きになってください。(投資してください)
そんな感じなのですが、考えの部分がしっかりしていないと、単に「自分はこんなにイケてるんだぜ!」と、派手なビジュアルが使われることが多く、ドヤった表現になって、批判的な意見が出やすいのがこのアウトプット。
※
私はこういう企業です。というのは、いわゆるブランディングとも言われる領域。
IR資料にブランディングとしてのデザインが必要かどうかは、僕はその企業の経営的な判断によると思っています。
IRツールは投資家に「業績などの情報を伝えるものである」と定義づけるのあれば、過度なデザインは必要ないと思いますし、
パーパスやビジョンの浸透も含めたツールと定義づけるのであれば、必要だと思います。
誰に何を伝えるツールかを定義づけるのが大切かと思います。
昨今は後者の流れが多いような気はしますが、
繰り返して言うと、僕はIR資料にブランディングとしてのデザインは必ずしも必要ではなく、経営判断になるという考え方です。(実務レベルでの最低のトンマナは守る必要はあります)
・あなたのことを想っています。デザイン
・私のこと好きになってください。デザイン
なんか変な例えになってしまいましたが、これもひとつの「おもしろさ」だと思っていただければ幸いです。
ビジネスを通じてちょっとしたドキドキが生まれたら楽しいですね!
僕たちはデザインを通じて、ビジネスをもっとわかりやすく、ちょっとおもしろくできればと思っています。
今後とも独自の切り口で発信できればと思いますのでよろしくお願いします!