【SDGs】アップサイクルって何だろう?

じめじめした日々がやってきそうな今日この頃。
私のリモートワーク中の家での服装は、スウェットパンツやTシャツをローテーションするだけになってしまいました。積まれた洋服を見ながら、寂しい気持ちになっています。

先日、別の記事(https://incdesign.jp/sdgs_fashion/)にてエシカルファッション(人と環境に優しい洋服のこと)について取り上げられていましたが、今回の記事ではエシカルファッションの中でも、「アップサイクル」という方法に着目したいと思います。

“アップサイクル”って?

最近耳にすることが増えた「アップサイクル」。不要となったものを再利用するイメージはつくけれど、リユースやリサイクルとの違いはなんでしょうか?

リデュース(Reduce): 製品をつくる時に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすること。
リユース(Reuse):使用済み製品やその部品等を繰り返し使用すること。
リサイクル(Recycle):廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用すること。

では、アップサイクルは?

アップサイクル(Upcycle):リサイクルやリユースとは異なり、不要となったもののもともとの形状や特徴などを活かしつつ、新しいアイディアを加えることで別のモノに生まれ変わらせる考え方。「ゴミを宝物にかえる」サスティナブルな考え方です。

一見、リサイクルとアップサイクルは似ているように思えますが、リサイクルの場合不要物を一度素材に戻してから再利用しますが、アップサイクルは不要物をその形のまま再利用しているという点が異なっているポイントとなっています。

なぜアップサイクルが注目されているのか

ファッション業界では近年アップサイクルの動きが活性化しています。それは、ファッション業界が及ぼす環境への影響が大きな要因になっているようです。
あまり知られていませんが、ファッション業界は衣類を生産する過程で自然環境に多くの負荷を与えており、石油業界に次いで2番目に環境汚染を生み出す産業と言われています。

・一年に生産される衣類の85%が毎年処分されている。
・CO2の排出量が全業界の10%を占める
・水質汚染の問題:水を大量に消費し、世界の廃水の20%を衣類の染色・仕上げに使用
・ポリエステル素材の衣類は、洗濯する際に多くのマイクロプラスチックを排出している

安価に販売し大量消費を促すファストファッションが世間を席巻したこともあり、現在の衣類生産量は2000年のほぼ2倍になりましたが、その裏では売れ残った衣類が大量に破棄されているのが現状です。
私たちが服を安く買える裏側には、こういった背景があったのです。

アップサイクルブランドの紹介

捨てられるはずのものやゴミを材料にプロダクトを作っているブランドを調べてみました。衣類を買う時の選択肢に、アップサイクルブランドを加えてみるのはいかがでしょうか?

FREITAG

https://www.freitag.ch/ja

あるどんよりと曇った昼下がりのこと。マーカスが、運送業者で手に入れたというトラックの幌を自転車に取り付けられたサイクルトレーラーに積んで帰ってきたのです。
マーカスは、強烈な臭いを放つ巨大なモンスターを引きずりながら必死に階段を上り、やっとのことで僕たちの部屋へと運び込みました。「これでバッグを作るんだ」と、彼は言い放ちました。「バッグを作る?」と、僕は返しました。「そう、サイクリストのためのバッグだよ。自転車に乗らない人にとっても、きっと便利なはず。素材には使い古しの物だけを使うんだ。例えば、幌とか、自転車のインナーチューブとか、車のシートベルトとかね」と、マーカス。ふむ、なるほどね。 

https://www.freitag.ch/ja/history

アップサイクルの先駆者的な位置のFREITAG。一つとして同じ柄のないバッグという唯一無二の価値がいいですよね。また、5月19日から7月14日まで #ridewithfreitag: RENT A BAG FOR FREEというキャンペーンが始まり、2週間無料でバッグを借りられるそうです。これからはモノを所持するのではなく、誰かとシェアしていく取り組みも、さまざまな分野で取り入れられてゆくことと思います。

CIRCULATION SHUTOKO

https://www.shutoko.jp/ss/c-shutoko/

日本の首都圏の大動脈をになってきた首都高速。
CIRCULATION SHUTOKOは、首都高の環境への取り組みをもっと身近に知ってもらうために発動した、首都高発、人もエコもつながるリサイクルプロジェクトです。スクラップ&ビルドだけではない、循環型社会への提言として、首都高や周りで利用されていなかった、様々な素材の循環使用を目指します。

https://www.shutoko.jp/ss/c-shutoko/

以前SNSで見かけて、個人的にとても刺さりました。首都高で使用されていた廃材は、普段一般の人の手に渡ることはなく、廃材といえどもレアものです。まさしく新たな価値を生み出しているプロダクトだと感じました。

PLASTICITY

https://plasticity.co.jp/

1年間で約8,000万本。
雨が降れば街中に捨てられる傘が溢れる。日本では1年間で消費されるビニール傘の大多数の8,000万本の傘が廃棄されていると言われています。分解のしにくさからリサイクルが難しく、多くが埋め立て処理や焼却処分されています。世界的にみてもプラスチックの消費量が多い日本。プラスチックを使うビニール傘の廃棄問題もこの状況の要因の一つとされています。そのリサイクルが難しい素材を使い、製造工程にも可能な限り環境負荷のかからない方法を模索し、たどりついたのが傘の素材が持つ防水性や汚れに強いなどの良い特性を残して、特殊な技術により幾重にも重なる層に圧着をするという方法です。ひとつひとつに人間の感覚と想いを込めながら、PLASTICITYの製品へと生まれ変わります。

https://plasticity.co.jp/pages/about

廃棄されたビニール傘を圧着して作った生地でバッグなどを作っているブランドです。生地の風合いが美しくデザイン性が高いので、個人的に今度買おうかな〜と考えています。「10年後になくなるべきブランド」というメッセージも、潔くとても共感します。

10YC

https://10yc.jp

IROHENは、あなたが大切に着てきた洋服をもう一回愛着を持って着てもらうためのサービスです。

― シミがついてしまった。
ーなんだか色が褪せてきてしまった。
― 白いTシャツに飽きてしまった。
その10YCのアイテム、IROHENすることでまだまだ着られます。
IROHENは、着ていくなかで褪せていってしまった洋服やアクシデントでシミが付いてしまった洋服に上から色を重ね、汚れや色あせを目立たなくし、10YCをより長く、より楽しく着て頂くためのサービスです。
10YCのストーリーはプロダクトが作り上がっただけでは完成ではありません。誰かに着てもらって、着続けてもらうことで、その人だけのストーリーが続いていきます。
色が褪せたり、汚れたりしても捨てずにIROHENでもう一回新たな気持ちで楽しもう!

https://10yc.jp/pages/irohen

「着る人も作る人も豊かに」がコンセプトの10YC。弊社ユニフォーム(?)でもお世話になっております。そんな10YCはもしもの汚れや色あせを目立たなくする、染め直し・染め替えのサービスを行なっています。より長く洋服を楽しめそうですね。

選択も意思表示

図らずもバッグの紹介ばかりになってしまいましたが、他にも様々なブランドがアップサイクルに取り組んでいます。衣類は私たちにとってなくてはならないもの。環境問題に少しでも興味が出てきたら、エシカルなブランドを選択してみることも私たちにできる第一歩です。普段使っているものが何でどのようにして作られているのか、立ち止まるきっかけになったら嬉しいです。

生活のいろ|5月号

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