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IR担当者の皆さま、自社の魅力を最大限に伝えられていますか?
IR資料といえば、財務情報や事業計画など網羅性が重視されてきました。しかし、投資家の心を動かすには、数字だけでは不十分です。今、多くの企業が注目しているのが、自社のパーパス、ビジョン、そしてカルチャーを深く語る「カンパニーデック」です。
本記事では、資金調達や採用ブランディングなど、様々な目的で活用されている20社のカンパニーデック・カルチャーデック・採用デックを徹底分析しました。
事業の成長性だけでなく、社会に与えるインパクトや、働くメンバーの熱量といった「企業のナラティブ(物語)」をどう描き、投資家やステークホルダーとの間に深い信頼関係を築くか。成功事例から学ぶ制作のポイントを、IR担当者の皆さまのためにわかりやすく解説します!
※当社の実績ではございません。
※当サイトが提供する情報は証券投資の勧誘を意図するものではありません。当サイトを利用しての情報収集・投資判断は皆様の自己責任により行われますようお願い致します。
※デザイン・IR業界活性化のための研究目的として各社様資料を引用して分析しています。
なぜ今、カンパニーデックが必要なのか?
カンパニーデックとは、企業のストーリーやビジョンに焦点を当て、「なぜこの事業をやっているのか」「どこを目指しているのか」といった想いや未来を伝えることに主眼が置かれた資料です。
カンパニーデックの最大の目的は、企業の存在意義や魅力を体系的に語ることで、読者に共感と信頼を持ってもらうことです。
本記事では、読者によってざっくり3種類(カルチャー寄り、ハイブリッド、投資家寄り)にタイプを分けて解説していきます。

カンパニーデックの中にカルチャーデックの要素が含まれることもありますし、これらは企業や文脈によって使い分けや定義が異なる場合があります。
厳選!カテゴリー別事例分析
カルチャー寄り編
引用:株式会社COTEN様


資料冒頭で対象読者「活動を知りたい人」「働きたい人」と示しているのがgoodです!誰のための資料なのかを明確化することで、全体像を理解しやすくなっています。
 沿革とともに資金調達の履歴は控えめに載せているものの、定量情報があまり出てこないのが印象的。
引用:COVER株式会社様


最初に社内の意思統一のための資料であることが示されています。
 急拡大(2016年2人、2024年509人)したグローバル企業であるため、バリューの策定が必要だったという背景があったそうです。社員エンゲージメント向上のための資料として仕上がっています。


抽象的なミッションの話から、働くメンバー像という具体的な内容に至るまで、一連のストーリーで示されています。特に、「働く環境セクション」でハード/ソフト両面抑えたフォトギャラリーがあることで、企業らしさがイメージしやすいビジュアルになっています。


全社的な方向性とともに、それを体現する社員一人ひとりが取り上げられているのが特徴です。 各種メディアへのリンクをつけていることから、この資料が社を知るための入り口として機能するように設計されています!
引用:株式会社Morght様


財務情報・事業内容などの定量的な掲載がほとんどないカルチャーデックです。
ビジョン実現に向けて、カルチャーが根幹となることを明言にしたストーリーが力強く語られています。


創業者の理念だけを強く押し出した構成です。
企業の独自概念やオリジナティーのある単語が盛り込まれています。ニュアンスから企業の空気感を丸ごと理解できる構成になっています。
引用:株式会社Spir様


グラフィカルで余白を生かした構成が美しい資料です。
資料全体の冒頭にVISIONが据えられているのはもちろん、プロダクトに関してもPRODUCT VISION→SOLUTIONという順番になっています。
WHYを打ち出した後にHOWを説明する、目的起点のストーリーが強く意識されています!


自社にとって「カルチャーブックとは?」「どう使う?」という内容を冒頭で定義しています。事業内容はほぼ出てこず、基本的には社内向けに言語化したカルチャーブックです。
引用:株式会社カメレオン様


ビジュアルのインパクトも重視している熱量が伝わってきます!
 事業の説明や、組織としての成長戦略は描かれていませんが、企業のカルチャーが直感的に理解できるグラフィックです。


MISSION、VISIONがそれぞれ1ページであるのに対し、VALUEが7ページと、働く人のあるべき価値観について厚いボリュームで表現されてます。
評価制度や働き方も網羅されており、体系的に組織についての理解が深まります。
ハイブリッド編〜やや投資家寄り編


定量的な情報もしっかりと掲載した資料。
メッセージを中心に構成されているので、じっくり読み込めるように設計されています。掲載されている写真では、自然体な社員の服装や表情、ポージングが表現されており、こちらまで社内の空気感やカルチャーが伝わってきます。


事業概要、市場規模、成長性に大きな比重が置かれています。
 会社が求職者に求めるものと、求職者にとってのメリット、双方を明記していることで、採用ミスマッチを防ぐ工夫がなされていました。


冒頭からインパクトのある問いかけで読者を惹きつける、プレゼンテーション資料です。ピッチ資料・会社説明資料・募集要項を組み合わせた実用的なスタイルです!
引用:freee株式会社様


財務情報には触れない一方で、社会課題に関係する数字が掲載されています。
採用にあたって、財務上の数字よりも、ビジョンに共感し、企業が目指す世界を具体的に想像していけるような仲間を求めていることが伝わってきます。


事業の成長性を強く押し出した資料です。
評価、等級、給与制度まで詳細に記載があるのが特徴で、個人としての成長を促すための施策が示されています。
人的資本が経営の根幹となっている昨今では、社外に向けて組織体制を打ち出していくこと自体も経営力のアピールになります!
引用:クロスマート株式会社様


事業内容を深く理解するためにコンテンツが工夫されています。
卸だけにとどまらず、25兆円規模の外食産業にアプローチしていること、卸が支える地域の食文化を守り、地方創生に寄与することなど、視野を広げて自社について語っているのが印象的です。


「今世界にある課題」を冒頭に持ってくる斬新な構成です(ビジョンが冒頭にあるのが一般的な形)。
課題感を伝えることで読者を惹きつけた後、IDENTIY > VALUE > 行動指針 の階層順で自社のカルチャーを定義。組織のあり方とそこで働く個人のあり方をつなげて、シームレスに説明しています。
引用:OLTA株式会社様


冒頭で多様なバックグラウンドを持つメンバーをイメージと共に紹介しています。
また開発チームの構成図に、求めるメンバーをプロットしているのもわかりやすく、誰と、どんなポジションで働くかが可視化されています。採用のためのコンテンツとして完成されています。
引用:株式会社Awarefy様


王道の構成です!(社会課題と目指す世界を示し、それをつなぐアプローチとプロダクトを紹介する形)
プロダクト紹介が厚く、網羅的な会社紹介(営業資料)という印象を受けます。テキストが洗練されており、スムーズに理解が進みます。
引用:PIVOT株式会社様


「こんな人が欲しい」というメッセージを定量情報で裏付けながら強く打ち出している印象です。
 右肩あがりの実績と共に将来像も描いており、組織とメンバーの成長性を両輪から訴求する構成になっています!
制作を成功させるためのポイント
ポイント1:ターゲットを絞り込む
採用候補者向け・投資家向けなど、ターゲットによって伝える優先順位をざっくり決め、資料の目的をある程度定めることで、実際に現場で使われやすい資料になります。
ポイント2:企業のナラティブを整理する
企業の軌跡、ありたい姿などの定性的な情報を、聞き手を惹きつけるナラティブ(ストーリー)として整理します。一本の独自な軸を定めると、読者が途中で離脱することなく、読み通しやすいです。
ポイント3:定量情報と定性情報のバランスをとる
特に、組織についてアピールする部分では、定量情報によりすぎていると具体的なイメージが湧きづらいというデメリットがあります。
事例でご紹介したように、社員の声、写真などを活用して定性情報を表現する方法もあります。
ポイント4:常に最新の状態にアップデートする
カンパニーデックは一度作って終わりではなく、採用や事業の変化に合わせて進化させる使い方をするのがおすすめです。アップデートを続けることで、組織の成長に合った人材・協力会社とのマッチングにつながります。
カンパニーデック、カルチャーデック(採用デック)は各社の個性が表れていて読んでいて楽しいですね!
自社で打ち出したい内容にマッチした形態・コンテンツを選んでいくことで、散逸しがちな定性情報もきれいにまとめ直す良い機会になります!














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