事業戦略や事業企画に関わる人はもちろん、ビジネスパーソンなら自社や取引先の決算をチェックしなければいけないことも多いかと思います。
投資の判断となる決算短信ですが、数字のみで素人にはわかりにくいというデメリットがあり、その印象から、決算資料は難しそうだというイメージを持つ人も多いでしょう。
そこで投資家向けにわかりやすく決算内容をまとめたものが決算説明会資料です。
決算説明会資料は、専門外でも理解しやすく見やすいよう、様々な趣向が凝らしてあります。
また、フォーマットやデザインが企業によってバラバラなので、その時々の会社の特徴がよく表れるものでもあります。
つまり決算説明会資料は、正確性と分かりやすさ、そして投資家への訴求力を意識して作り込まれているので、「プレゼン資料のお手本」と言い換えることもできるのです。
今回は数ある決算説明会資料の中でも、特にわかりやすいもの厳選してご紹介します。
プレゼン資料の作り方に悩んでいる社会人や、事業戦略のアピール方法を考えている人にとって参考になる保存版です。
※弊社の実績ではございません。
L I N E株式会社
ひと目でL I N Eだとわかる、特徴的な色味が引きたたせるシンプルなデザインです。
太いフォントとを平面的なデザインが統一感を生んでいます。
資料外のI Rコンテンツを最後に提示することで、企業自体のコンテンツ力をアピールすることにも成功しています。
https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY19Q4_earning_releases_JP.pdf
Chatwork株式会社
Chat Workはメールや電話などのできる、ビジネスコミュニケーションに特化したチャットツールを提供している会社です。
吹き出しをイメージしたロゴマークが各スライドのタイトルにあしらわれているデザインが印象的です。
全体はコーポレートカラーの赤と黒を基調にまとめられています。
こちらの特徴はそれぞれのコンテンツの説明が実際の画像を用いてわかりやすく説明されているところです。
商品や事業の説明部分では分量が多くなり、目を通しにくくなりがちです。
しかし、イメージ画像やイラストを大きく配置することで視覚的に理解しやすいスライドにすることができます。
株式会社リブセンス
文字の羅列になりがちな一覧表やグラフを、一目して伝わりやすいようにするアイデアが多用されている資料です。
各事業のロゴやアイコン画像を挿入することで受け手側はぐっとイメージしやすくなるでしょう。
また、細かな文字が少ない点も好感を持つことができるデザインです。
専門的で難しい言葉を排除する代わりに、図解を多く用いることで内容の質を保ったまま、わかりやすくまとめているので、見る側にとってとても優しいデザインです。
ユーザー目線を強く意識した「あたりまえの実現」というLIVESENSEのスローガンを感じさせるような資料だと思いました。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6054/tdnet/1798657/00.pdf
株式会社ほぼ日
ほぼ日手帳で有名なほぼ日ですが、他にもさまざまなコンテンツを有する企業です。その様子を投資家にわかりやすいように多くの写真と共にまとめています。
文字と写真が2:8程度の割合のスライドが多く、配置や画像の選定の仕方も参考にできます。
また、冒頭で資料の構成を簡潔に提示している点が特徴的です。
特に分量の多い資料には目次ページが必要になりますが、このように全体の見通しがひと目でわかる工夫が好まれます。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3560/ir_material_for_fiscal_ym/75295/00.pdf
ユナイテッド株式会社
ほぼ日の決算報告資料に続いて、目次ページが素敵な資料を紹介します。
目次スライドを度々登場させることで、「今、どの部分の説明なのか?」という進行状況を明確に示しています。
残り時間や残りのタスク数がわかることで不安や退屈感が解消されるという心理法則をうまく活用しているデザインです。
また全体を通しては、アプリなどのデジタルコンテンツを扱う事業内容から、線が細く現代的で洗練された印象を受けます。
この資料が作成された期間は「集中期」として投資家に呼びかけていたため、資料自体も事業内容に焦点を当て、より濃密にピックアップした構成になっています。
企業の指針を資料のデザインが補完するような展開の仕方をしていました。
https://united.jp/cms/wp-content/uploads/2020/01/20200131_united_fr.pdf
株式会社エニグモ
クモの巣をモチーフにした孔子模様は、インターネット事業でグローバルベンチャーとして成長していくというスローガンを表しています。
ファッションやコスメ、海外のライフスタイルを扱っていることもあり、デザイン性の高い資料です。
一方で、アイコンや図を多用して見やすい工夫がされているので、機能性とデザイン性の両方を兼ね備えています。
見る側の楽しさと気鋭のブランドコンセプトを意識した、真似したくなるような仕上がりです。
https://enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2020/03/ir_20200316_2.pdf
GMOペパボ株式会社
こちらは見やすさを追求した、非常に好感度が高いスライドです。
数字を含める全ての文字が、太く・大きく・読みやすく統一されています。
シンプルな色調で整えられている一方で、必要な部分にぐっと目が引かれるデザインです。
丸みのあるアイコンを所々で活用することで、親しみやすさとわかりやすさが両立されています。
伝わりやすい資料作りのための教科書的なスライドでしょう。
決算説明会資料の中には、イメージ戦略やブランディングに関わるテクニックがたくさん込められています。
ぜひ資料作りに生かしてみてはいかがでしょうか。
また弊社では決算報告資料をはじめ、多くのI Rツールのデザインを手掛けております。
コーポレートサイトやI Rサイトを強化したい!というご相談など、お気軽にお寄せください。